小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、経営が順調な施設の成功要因は何だろうか。本連載で、マーケティングや経営・運営の手法に迫る。第62回目は現在16店舗を運営しているMIYAZAKI GYM。さらに、今後オープン予定の店舗も複数抱える。
■コンセプト
省サービス・高品質で結果を出すジム
東京都内を中心に16店舗展開しているMIYAZAKI GYM。代表の宮崎隆一氏は、2011年からお客さまの自宅で行う出張トレーニングを行っており、2014年にパーソナルトレーニングジム1店舗目となる渋谷店を開業した。
コンセプトは「結果を出すこと」。宮崎氏がこだわっているのは、トレーナーの質を高く保つ一方、余計なサービスは省くこと。内装などは費用をかけず、レンタルウェアや飲料水の提供はほとんどの店舗で廃止している。
「施設の内装やトレーニング以外のサービスにコストをかけると、料金は今より2,000~3,000円高くなってしまいますので、サービスをかけない分、お客さまの料金とトレーナーの報酬に還元させています。また、サービスを充実させればその分トレーナーに負担が掛かり、離職にもつながります。トレーニング指導の質を高くして、お客さまの目標とする結果を出すことにこだわっており、そこに価値を感じてくれる人に来てほしいと考えています」
トレーナーには指導力、技術力を高めることに集中してほしいというのが宮崎氏の考えだ。トレーナーの負担を減らし待遇を高めることで、お客さまはよい指導を受けられ、win-winになる。完全予約制で、ふらっと来館することがないモデルだからこそ成り立つ仕組みとも言える。
■マーケティング
特に行わずとも時代が追い風に
1号店は、渋谷でオープンしたが、特にマーケティングなどはしていないという。
「当時はパーソナルトレーニングが注目され始めたころで、パーソナルトレーニングジムもそれほど多くありませんでした。イメージだけで渋谷への出店を決め、広告を出さなくてもすぐに人が集まりました。多分どこでもうまくいったと思います。すぐにキャパシティーを超えてしまったので、2号店を新宿にオープン