小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、経営が順調な施設の成功要因は何だろうか。本連載で、マーケティングや経営・運営の手法に迫る。

第52回目は東京都にあるORNa Fitness Gym。日本では珍しいアニマルフローというエクササイズを取り入れたパーソナルトレーニングジムだ。

●コンセプト
フィットネス業界に新しい価値観を家族で通えるパーソナルジム

株式会社オルナ(以下、オルナ)は、東京都福生市にORNa Fitness Gym(以下、ORNa)を2021年9月にオープン。日本では珍しい、アニマルフローを取り入れたパーソナルトレーニングジムで、フィットネス業界に新たな風を吹き込む。

これまで都心を中心に活動してきた大山氏。今回、比較的郊外である福生市にジムを開業した背景には、家族の存在がある。

「以前の職場は六本木にあり、福生にある自宅からは片道約2時間かかっていました。もちろん土日にパーソナルの予約が入ることもあり、たとえ1本だとしても移動を含めると5時間ほど使ってしまい、家族との時間が中々取れずにいたので、思い切って福生にジムを開くこと決めました。また、少し前から『パパのジムに行きたい』と息子から言われており、そういえば親子で一緒に通えるようなパーソナルジムがあまりないなと感じたので、どうせなら家族みんながフィットネスを楽しめるようなジムをつくりたいなと思ったのもきっかけの一つです」

その言葉通り、ORNaの内装はほかのパーソナルジムと一味違う。フリーウェイトやマシンが並ぶ、パーソナルトレーニングを行うためのジムエリア以外に、アニマルフローやキッズエクササイズが行える、人工芝エリアが併設されている。親御さんがジムエリアでトレーニングを行っている傍らで、お子さんが人工芝の上で安全に運動することができる。

また、大山氏は、現在のフィットネスブームに一石を投じるような形で以下のようにも語る。

「理想のスタイルを追い求めるために厳しいトレーニングを行ったり、過度な食事制限を行ったりすることをフィットネスだと捉える人が、特に若い人の間で多いと思います。ただ、フィットネスの目的は健康の維持・増進にあり、継続して初めて価値の出るものなので、それ自体が苦になってしまっては意味がありません。ボディビルや格闘技などの競技者であれば別ですが、一般の方にとっては適度