MOSSAナショナルトレーナーとして、インストラクターの育成業務を中心に活動する秋元優也さん。全国を飛び回りながら、グループレッスンの魅力を伝えている。その秋元さんにとってのライブレッスンの魅力は、「熱量が共有できる」こと。インストラクターとして、「常に自分の使命や提供しているものに対して熱狂している」という。

公務員を諦め、フィットネス業界に。そこで天職に出会った

秋元さんがグループインストラクターになったきっかけは、新卒で入社したメガロス(現、野村不動産ライフ&スポーツ株式会社)で、社内研修の一環で、グループ指導を習得してレッスンを担当したこと。デビュー当初から「人前で注目を集めることが楽しくて、天職だと感じた」と話す。

大学時代は陸上部に所属し、公務員試験合格を目指して勉強していたが、企業説明会で出逢ったフィットネスの仕事に興味が湧いたという。入社後、特にグループ指導でメキメキと指導力を上げ、3年目に海外研修として、米国で毎年開催されているIDEAコンベンションに参加する機会を得た。そこで、さらに秋元さんのグループ指導への思いが高まったという。

「ちょうどグループ指導に自信を持って取り組んでいる時でしたが、海外プレゼンターのレッスンを受けたときのインパクトは衝撃的でした。多くの人を魅了する姿に心が揺り動かされました」

ライブの魅力は「熱量」と「コミュニティ」

秋元さんが、ライブレッスンの魅力として挙げるのが、「熱量」と「コミュニティ」。どちらも、インストラクターと参加者の間の関係だけでなく、参加者同士の間でも、この共有が生まれることが何よりの醍醐味だと話す。

「参加者一人ひとりと直接会い、話し、触れることで、よりつながりを感じることができます。また私たちは初心者や自信がない人など同じ境遇の人同士をつなげることができます。レッスンで新たなつながりを作るのもライブならではの楽しみです」

その価値をレッスンで生み出すうえで、心がけていることが3つあるという。「まず、自分が一番熱を帯びている状態で、プログラムに対しても一番熱狂していること。好きという気持ちは伝播していきます。2つめが、ファンを大切にすること。その感謝の気持ちとして、参加者一人ひとりの方に、“嬉しい”と感じる瞬間を提供したいと考えています。そして3つめが、人を魅了できる存在であることです」

具体的には、ライブレッスンでは、特にレッスンが始まる前後の時間も大切にし、参加者がスタジオに足を踏み入れた瞬間から、一人ひとりの小さな変化に気づいて声をかけたり、名前でお呼びするなど、必ず1回は全員の方とコミュニケーションをとり、傾聴の姿勢を大切にしている。また、インストラクターとして魅力的であるために、内面的には常に目標を持って誠実に取り組むこと。外見的には動作スキルに磨きをかけることはもちろん、スキンケアなど身だしなみにも気をつけている。

グループ指導力を高める観点

MOSSAでは、こうしたグループ指導の醍醐味を、広くフィットネス指導者と共有すべく、その観点やスキルを4つのキーワードと、6つのティーチングエッセンシャルにまとめている。

MOSSAプログラムは「Let’sMove!」を合言葉に、人を活動的にして日常生活を豊かにすることをミッションとしている。4つのキーワードとは、「安全」「効果的」「シンプル」「楽しい」で、誰でもできる、楽しめるプログラム。これが土台にあることで、より多くの方が、楽しみながら運動に自信をつけることができ、継続できることになる。

さらに、レッスン品質を高める6つの不可欠な要素として、「ブランディング」「エグゼキューティング」「コーチング」「エンターテイニング」「コネクティング」「マネージング」を挙げ、それぞれの側面から、グループ指導に活かせる理論とスキルが学べるようになっている。研修後は、ビデオ査定を経て、インストラクターとしてデビューするが、アップデート研修などの機会でも、自身の指導力を高めることができる。

秋元さんは、ライブでのグループ指導力を高める価値について、こう話す。「コロナ禍で、人との接点がとれない時期が続きましたが、グループレッスンで人と人がつながれること、熱量を共有できることは、フィットネスを続けるうえで、とても大きなモチベーションになります。人を笑顔にして活動的にできる熱心なグループ指導者の育成や、コミュニティづくりを通して、グループレッスンの価値をさらに高めて伝えていきたいです」