株式会社エイチアンドワイフィットネスは、日本企業の生産性を上げる手段の1つとして、2022年12月10日にESSENTIAL GYM 24 茗荷谷店をオープンした。同ジムは、現在、見学者数が多く、取材の日程を延期するほど賑わっている。その出店の想いとは。

 

「日本の企業(に勤めている人)の生産性を上げて日本をよくすること」。それが出店の目的だ。その経緯は、同社代表取締役宇田川洋平氏の原体験に基づいている。

2022年6月まで、同氏は、飲食店を調べられる某有名webサイト運営会社で、常務執行役員を務めていた。事業規模で200〜300億円。これまでにどんな経緯があったのか。

「その会社に在籍していた20年、365日中400日ほど食事は外食で、お酒も煙草も楽しんで、1日中誰かに会う生活でした。肝臓を壊し、運動を始めたのが30代前半です」

ご馳走であるはずの外食が、もはや口にできなかったと言う。

「医者から『ほぼ、がんのステージ0です』と言われました。まず、運動、食事、睡眠を取り、自分の時間を作ったりしていると改善していったのです」

自分の命を救ってくれた運動や休養を事業ドメインに加えたい。同店は、こうして生まれた。立ち上げでは、気軽に運動できることや、運動による変化を定量的に把握できる仕組みを突き詰めた。

「私が経験したようなことに苦しんでいる人がいるだろうから、もっと気軽に運動でき、人生において復活を遂げ、自分らしい生活を送り、生産性を高めるために何ができるか考えていました」

そのアウトプットは、24時間フィットネスクラブだった。同ジムが茗荷谷の駅近に立地するわけは、生産年齢人口が1km圏内に4万人いるからというだけではない。特に、未来を背負う学生やホワイトカラーが多く、日本の生産性向上のための心臓部分とも言えよう。

同ジムの特徴は、施設の衛生対策だ。それは飲食店に例えるならQSC。かかる費用は、イニシャルコストに含めて標準装備とした。例えば、入口は会員管理システムと連動し、スマートフォンなどのBluetoothでドアが開錠し、非接触。除菌剤は、塩化ベンザルコニウムという界面活性剤が含まれているものを採用。

さらに、マルチ周波数体組成計を導入し、身体を4つの成分(脂肪・ミネラル・タンパク質・水分)に分けて分析できるようにした。

会員は、自らお金を払ってジムに行くことに馴染みがない人が半分ほど