小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、サクセスフルに経営されている施設の特徴は何か。本連載で、マーケティングや経営・運営面の成功要因に迫る。第59回目はUFCジム荻窪店。世界中で展開が進むUFCジムが、日本でも成功を収めつつある。

●コンセプト
Train Differentで、誰もが自分に自信が持てるように

UFCジムはアメリカ、ロサンゼルス発祥の格闘技系フィットネスクラブ。全米を中心に、世界30ヶ国で800ヶ所以上展開している。世界中で拡大を続けるUFCジムだが、日本でも2020年4月に東京都世田谷区用賀に1号店をオープン。2021年の4月には2号店となる荻窪店をオープンさせた。

UFCジムの全世界共通のコンセプトは“TrainDifferent”、今までにないトレーニングで、フィットネス業界に革命を起こすという意味を持つ。総合格闘技「UFC」のアスリートと同じトレーニング環境が構築されており、誰でも最先端のトレーニングを受けることができる。同ジムを経営するハリー氏は、次のように自信を見せる。

「キックボクシングやブラジリアン柔術など格闘技系のトレーニングはもちろんですが、パフォーマンス系のDUT(Daily Ultimate Training)やウェイトトレーニング、リカバリー系ではピラティスなどを含め30種類ほど、1週間で100クラス以上実施しています。これだけコンテンツが充実しているこのサイズのジムは珍しいでしょう」

また、同ジムはミッションとして、“What's your fight”を掲げる。これは、格闘技で対戦相手と戦うということに限らず、例えばダイエットや健康維持など、誰もが日常のあらゆるものと闘う力、すなわち壁を乗り越える力を身に付けることを指す。

「このミッションは私たちにとって、非常に意味が深いものです。お客さまが何に悩み、どんな壁にぶつかっているのかを知り、そして、どのように勇気づけるかを常に考えています」

顧客の課題を聞き出し、解決するための運動方法を提示することがジムの役割だが、UFCジムでは、解決方法の提示にとどまらず、会員が自ら課題を解決する力を手に入れることに、より注力しているのだ。CEOを務めながらも、自らクラスの指導も行うハリー氏は、スタッフの在り方について次のように語る。

「UFCジムでは、スタッフのこと