株式会社プライムエデュケーション(以下、プライムエデュケーション) は、PRIME EDUCATION FITNESSACADEMY(以下、PEFA)と呼ばれる集合研修を対面で実施してきた。

コロナ禍以前よりフィットネスクラブの研修に課題があるなか、さらにコロナ禍でなかなか大人数が集まる研修を開催することが難しくなってきた。一方で、フィットネスクラブとしては、研修をおろそかにするわけにはいかない。

そこで、フィットネスクラブの研修内容をオンデマンドで受けられるシステムを開発し、2021年8月より提供を開始した。クラブの研修を、驚くべき低価格でサポートする同サービスの開発背景や取り組みについて、野口氏に話を訊いた。

野口初夏氏
株式会社プライムエデュケーション
PEFA 事業部

教育・研修の領域でフィットネス業界をサポート

プライムエデュケーションは「豊かな精神」「確かな技術」「幅広い知識」をもつ人材を輩出することでフィットネス業界を盛り上げることを志し、PEFAを立ち上げた。

特に、中小規模のフィットネスクラブだと、日々のオペレーションにリソースを割くことに精一杯になってしまい、満足な研修を行うことができないという課題をもつことが多い。

その課題を解決するPEFAは、業界を代表する研修プログラムとして支持されてきた。

しかし、対面の集合研修だと、場所と時間が固定されてしまい、スケジュールを確保するハードルが高くなるので、同社としてはオンデマンドの動画研修プログラムの開発を画策していた。そのなかで、コロナによって3密を避けながらクラブを運営していく必要に迫られ、ますます動画研修の需要が高まった。そこで、昨年にリリースに至ったという背景がある。

「コロナの影響で、スタッフが学習できる環境まで失われてはならないと思っています。元々もっていたアイデアが、フィットネスクラブの課題を解決するために対応できると信じています」と、PEFA事業部の野口氏は話す。

オンラインを通じて確かな研修を安価に提供

PEFAに含まれている内容として一番大きな割合を占めるのが、入社後1〜2年目の若手スタッフ向けの基礎研修だ。どのクラブにも汎用的に活用できるフィットネス業界や社会人としての基礎といった動画研修を収録してある。例えば、接客の基礎や、電話の取り方などである。

そのほか、FCM技能検定向けおよびスタジオインストラクター向けの動画コンテンツなど、合わせて約90本収録されている。動画は1本あたり15 〜30分であるが、そのなかでさらに細かく項目が分かれていて、飽きさせない工夫が散りばめられている。動画の視聴後は、5問程度のミニテストを実施することで、習熟度をマネージャーが把握できる設計になっている。

このe-ラーニングシステムの導入メリットは大きく分けて2つあると野口氏は言う。

「フィットネス事業者にとっては、研修に必要となるマニュアル作成にも相当な労力が発生します。しかし、動画で『いつでも、どこでも、何度でも』学ぶことができる環境を設けることで、スタッフは隙間時間に学習を進めることができます。このような効率化によって、特に中小規模のクラブやスポーツ専門学校にも導入いただけています」。つまり、研修の作成者および受講者双方にとって時間効率と学習効率が高まるわけだ。

もう1つは、何といってもその価格設定だろう。「私たちのシステムは、受講人数1人あたり月額880円(税込)で提供しています」と野口氏は言う。この価格であれば、自社でゼロから研修を組み立てる時間的コストを節約できるメリットのほうが、はるかに大きくなるのではないだろうか?

研修内容のさらなる充実と導入企業の拡大を推進

現在ある研修コンテンツ以外に、今後はさらに新しく追加していくことで、研修内容をパワーアップしていくことを目指している。具体的には数百プログラムにまで増やす予定だ。

「スタッフにとって、しっかりと学ぶ環境があるということがモチベーションアップにもつながりますし、目指すべき方向が明確になると確信しています。また、弊社はフィットネス業界の教育・研修に軸足を置く企業ですので、そこのサポートが私たちの使命だと考えています」と野口氏の言葉には力が詰まっていた。

リリースして間もないこの優良研修サービスを、フィットネス業界に広めていくことで、業界のさらなる発展に貢献していくことを目指しているプライムエデュケーション。

現場で働くスタッフたちが、「お客さまを健康にしていく」というフィットネス業界の素晴らしい仕事に対して誇りをもち、いきいきと働くことができるサポートができるよう、これからもフィットネス業界のプラットフォーマーとして活動を続けていく。