■オムニチャネル体験が定着

~会員数は再び増加傾向にあり、消費者の要望は変化~

フィットネスクラブ業界は明らかに潮目が変わってきている。新規会員が再びクラブに引き寄せられる傾向が強まっている。

Les Mills 2021 Global FitnessReportによると、世界中のクラブが回復基調にあり、規制が解除された市場ではクラス出席率がコロナ前の120%に達している。

また、この調査では、クラブが引き続きワークアウトの拠点であり、会員の3分の2が「一人ではなく、他人と一緒に汗をかくワークアウトを好む」と回答し、スタジオは、最も人気のあるサービスとして挙げられることを示す。加えて、ライブレッスンは、自宅でのライブ配信よりも2倍以上魅力的で、インストラクターとグループの活気がキーファクターとして挙げられている。

もちろん、これは良いニュースだ。

しかし、データを掘り下げると、会員のニーズについて新たな期待が出てくる。

オムニチャネルの台頭

2021年7月に作成されたレポートThe Next Fitness Consumerによると、会員はより大きな "フィットネスフットプリント" を見ている。コロナ前との相対的な比較では、アクティブな消費者の15%は無料のオンライン・ワークアウトを利用、ホームフィットネス機器を使用が13%増加し、(家庭用フィットネス機器を使用は37% )、デジタルエクササイズプログラムは8%増加した。そして、屋外での運動参加は7%増加した。レスミルズのデータでは、ジム会員の80%が、コロナ前と同様にライブ・ワークアウトと併用ながらデジタル・ワークアウトを今後も継続する予定であるとした。

このデータから、消費者は、クラブが提供するものを重視し、クラブを利用する態勢を整えている。現在、そして将来にわたって、ジムやスタジオには、今後も強いニーズがありそうだ。

クラブは、そのような顧客を壁の外まで引き込む必要がある。

パンデミックがもたらした最大の遺産は、クラブとのかかわりを深めざるを得ないということだ。

ここ数年、フィットネス業界ではオムニチャネル体験の提供という旗印を掲げている。マーケティング用語では、その旅路