PJフィットネス研究所を設立し、フィットネスに関する研究を行う株式会社プロフィットジャパン代表取締役菊賀信雅氏。新型コロナウイルスと運動の関連性についての海外の論文から、運動の効果について述べる。フィットネスクラブの安全性の再確認に役立てていただきたい。

COVID-19 と身体活動に関する論文

イギリスでは、『Living with COVID19 :’Exercise is medicine.’』〔COVID-19 と共に生きる:「運動は薬である」〕というメッセージが出されました。複数の論文では、コロナによるパンデミック時に身体活動(PA)が疾病負荷の軽減をする役割があることにはほとんど焦点が当てられていないと警鐘を鳴らしています(※1.2)。

※1.COVID-19: Hands, face, space, fresh air ... and exercise! The missing intervention toreduce disease burden COVID-19: Hands, face, space, fresh air... and exercise! The missingintervention to reduce disease burden、A Tumi, H Khan, S Awan, K Ikonomou, K Ali, K Frain… - BJGP open, 2021

※2.Physical inactivity and health inequality during coronavirus: a novel opportunityor total lockdown? Shur NF, et al. BMJ Open Sp Ex Med 2020;09

さらに、いろいろなところで、『COVID-19と身体活動、ワクチンについて』や『COVID-19とフィットネス・身体活動について』の論文が出されていますので、ご紹介させていただきます。

(1)一般集団における免疫系、ワクチン接種および市中感染症のリスクに対する身体活動の影響(図1)
・系統的レビューおよびメタ分析では、中等度以上の身体活動を定期的に行うことは、市中感染症のリスクを31%低減し、感染症による死亡リスクを 37%低減することにつながる。

・ワクチン