小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、サクセスフルに経営されている施設の特徴は何か。本連載で、マーケティングや経営・運営面の成功要因に迫る。第58回目は東京都など首都圏を中心に43店舗を展開するエクササイズコーチ。AIマシンを導入した新しいパーソナルトレーニングジムの成功の秘訣を探る。

●コンセプト
手軽・短時間・低価格で
パーソナルトレーニングを広める

アメリカ発のAIマシンを駆使したパーソナルジムで、日本でも都心部を中心に43店舗を運営するエクササイズコーチのコンセプトは、「パーソナルトレーニングを広める」こと。志村氏は、この「広める」という点の重要性について、こう説明する。

「パーソナルトレーニングは、今でこそ広まってきていますが、それを受ける人に着目すると、まだ一般的とは言えません」

パーソナルトレーニングといえば、高価で、ダイエットやボディメイクなどの目的意識の高い人たちが受けるものというイメージをもつ人も多い。エクササイズコーチでは、主にダイエットを目的としたパーソナルトレーニングを手軽に、20分という短時間で、しかも低価格で受けることができる。

「ダイエットをしたくても、高価なパーソナルジムに通う余裕がない人や、そこまでストイックにできないという人は、諦めて違う選択肢を選ぶケースが多いと思います。そういった方に、もう少し効果的にダイエットをしていただくために、気軽にお安く提供できないかという想いがあります」

●マーケティング
仕事帰りでも負担にならない
運動時間を徹底的に意識する

対象となるメインの顧客層は、主にダイエットを目的としているF1層(20~34歳)の女性である。現状でF1層の集客は成功しており、そのなかでも仕事帰りに立ち寄るといったコンセプトに即した会員が多いという。また、男性や高齢者の会員も徐々に増えてきており、メインの顧客層以外にも浸透し始めている。

エクササイズコーチの提供する「手軽さ」を反映している大きな要因の1つが、圧倒的な低価格にある。一番高いインディビジュアル(トレーナーと1対1で指導を受けることができる)、月8回コースでも、月額35,200円(税込)と、業界平均の約4分の1の金額を実現。ローンを組むことによって、月あたりの金額を下げたパーソナルジムも存在するが、エクササイズコ