ー本当にカッコいい空間でトレーニングができるように

株式会社LÝFT(以下、LÝFT)は2018年にフィジークのIFBB PROを保有するエドワード加藤氏によって立ち上げられたアパレルブランド。2020年にはサプリメント領域に手を広げ、2023年5月にはLÝFT GÝMをオープンしてジム運営に乗り出した。表参道ヒルズの地下3階に堂々オープンした同ジムの総工費は3億円を超えるが、妥協を一切許さないハード面のこだわりや体験価値が伝わり、相場の倍近くの会費でも集客に成功している。その全貌に迫る。

ドミノ戦略による事業拡大で念願だったジム経営を現実に

LÝFTが創業してから最初に手掛けたのが、アパレル事業。トップクラスのフィジーク選手であるエドワード加藤氏自身もモデルとして訴求ができる点を強みに、洗練されたデザインのトレーニングウェアを2018年からリリースしてきた。

事業が軌道に乗り、次に挑戦した領域がサプリメント。

「本当においしいと思えるプロテインが日本に存在しないことに課題を感じていました。プロテインとしてではなく、飲み物として毎日飲んでもおいしいようなプロテインを世に生み出したい。そのような想いで、とにかく味にこだわったプロテインを作ることができました」とマーチャンダイジングの責任者を務める益田氏は語る。

そして、今回紹介するLÝFT GÝMが3つ目のチャレンジとなる。この事業に乗り出した動機も「本当にカッコいいジムを日本に作りたい」というところから端を発している。しかし、写真からも伝わる通り、いきなり初期投資の大きい高価格路線のジムの運営から挑戦するのは、いくらトレーニングのプロのエドワード加藤氏とは言え、リスクが大きすぎる。だからこそ、着実に別の事業を成長させて、巨額の投資が必要なスケールの大きい事業へと順番に歩みを進めている。まさに、イーロン・マスク氏も提唱している「ドミノ戦略」そのものだろう。

運命的なテナントとの出会い表参道ヒルズ初のジムに

LÝFTがジムの開業を検討し始めたのが2022年の夏頃。今からちょうど1年ほど前になる。2021年には原宿と表参道の間にLÝFT STOREをオープンしていたので、次なるジムについても近隣で探し始めていた。

LÝFTは基本的にアパレル