JOYFIT24洗足は、東急目黒線の洗足駅から徒歩1分という好立地にある24時間ジム。しかし、2013年のオープン以来、同ビルに居住する住人から「振動や騒音がうるさい」という声が届くようになってしまった。様々な対策を取るも、なかなか根本的な問題解決にいたらなかったが、オーストリアに本社を置くゲッツナー社製の防振材を全ランニングマシンの下に配置して以降、長年続いていたクレームの連絡がピタリと止まったと言う。高野氏は当時を振り返りながら、振動・騒音問題のリアルを語ってくれた。

  • 株式会社LÝFT(以下、LÝFT)は2018年にフィジークのIFBB PROを保有するエドワード加藤氏によって立ち上げられたアパレルブランド。2020年にはサプリメント領域に手を広げ、2023年5月にはLÝFT GÝMをオープンしてジム運営に乗り出した。表参道ヒルズの地下3階に堂々オープンした同ジムの総工費は3億円を超えるが、妥協を一切許さないハード面のこだわりや体験価値が伝わり、相場の倍近くの会費でも集客に成功している。その全貌に迫る。
    株式会社ヤマウチ
    運営本部 第3エリア テリトリー2 クラブマネージャー
    高野竜馬氏

 

上層階住人と利用会員の板挟み状態に

JOYFIT24は、いつでも会員がいい機材で運動ができるよう、施設設計にこだわって店舗を開発している。洗足も例外ではなく、フリーウェイトマシンやカーディオマシンなどを顧客目線で充実するように配置した。しかし、どんなにいいマシンを配置しても、避けられないのが騒音と振動である。ジムに通っていない同ビルの住人や別テナントからすれば、うるさいかうるさくないか、それだけでしかないのだ。

「特に、夜8時以降にスタッフの勤務時間外のランニングマシンの振動が上層階に伝わってしまいました。我々としても、特に音や振動が伝わりやすいマシンを特定し、夜8時以降は利用できないようにしたり、会員さまになるべく静かにご利用いただくようにお願いしたり、できうる対策をしてきましたが、クレームがなくなることはありませんでした」と高野氏は回顧する。

クレームは基本的にメールで来る。上層階の住人からすれば、平穏な生活に支障が生じているため、ときには語気の強い文体でお怒りのメールが届くこともあった。

一方で、会員としても「静かに走れ」と言われても釈然としないだろう。わざわざ会費を払って運動をしにきているのだから、それであれば屋外をのびのびとランニングしたいと考えて退会してしまうことも十分に考えられた。これほどまでに、ジムにとって悩みの種になる問題なので、できれば入居前にしっかりとした対策を行うべきだとわかるだろう。

クレームが絶えない状態で救世主となった高性能の防振材

「多いときは、3日に1回のペースでメールをいただくこともありました。このままではいけないと思ってはいたものの、どうすればよいのか答えがわからなかったときに、本部から紹介されたのが、g-fit Gear T300というランニングマシン用の防振材でした」

最初、2台のマシンから試験導入をしたが、あまりの静かさに驚き、まもなくすべてのマシンに導入した。設置はマシンの下に置くだけで、特段の定期的なメンテナンスも必要ない

ランニングマシンの下で、騒音と振動を防いでいる縁の下の力持ちのような存在

また、防振材が入っていないときと遜色のないほどの揺れの少なさで、走り心地も良い。会員が喜ぶ器具の導入にこだわるJOYFIT24にとって、ありがたい副産物と言えよう。

この防振材を提供する日本ゲッツナーの本業は、鉄道、ホテルやコンサートホール等の建築物の床の防振。国際的に様々なインフラで活用されている技術をフィットネスクラブに向けて応用した製品こそがg-fit Gear T300。振動・騒音対策のエキスパートが手掛けるクオリティがそこにある。しかも、防振材の力のみならず、しっかりと建物の構造やマシンの特性から、音と振動を最小限にする配置方法、厚さなどを計算(エンジニアリング)してから設置するので、効果が出やすいのは当たり前なのである。

振動・騒音問題から解放され快適なフィットネスライフを提供

2020年の4~5月は、政府から1回目の緊急事態宣言が発令され、JOYFIT24洗足もこの間は休業した。その翌月、営業が再開したところで、やはり振動・騒音のクレームの連絡が入ってしまったという。

「緊急事態宣言中、無音の状態に慣れていたと思うので、営業を再開した途端にやはり音や振動に敏感になっていたのかもしれません」と分析する。

実際、g-fit Gear T300を正式に導入したのは、翌年の2021年3月からのこと。それ以来、クレームはいまだに1件も来ていないというのだから、その効果は歴然である。

「今までが嘘のようですね。今日もご指摘のメールが届いてしまっているのではないかと、内心気が休まらないこともありましたが、日本ゲッツナーさんのおかげでその悩みからは完全に解放されました。最悪のケースでは、退去になることもある振動・騒音トラブルなので、まず相談するべきだと思います」。高野氏は熱を込める。

g-fit Gear T300は、会員、同居テナントおよび住人、そして事業者にとっても快適さを与える三方良しのアイテムだとわかるだろう。なかなか脚光を浴びることが少ない位置にいつも置かれているが、その日頃の仕事量は計り知れない。