読者の中には4月から新しい職場で働き出す人がいるのではないでしょうか。

新卒で入社した人だけでなく、アルバイトから昇格した人や中途入社の人もいれば、このタイミングで独立起業した人、あるいは会社で新規事業を立ち上げることになり、その責任者となり、本格的な取り組みをこれから始める、という人もいるのかもしれません。

この『Fitness Business』を手に取り、継続して読んでいるだけでも意識の高さがわかりますが、このコーナーを借りて、そうした人たちにエールを送るとともに、老婆心ながら自身の過去を振り返って大切にしてほしいと思うことを3つだけお伝えしたいと思います。

1つ目は、不知の自覚です。自分が知らないことについて「それ、知っている」と“シッタカ”せずに、知らないということを自覚したうえで、相手に共感するように、そして謙虚に傾聴し、わかっていることを増やしていき、世界を体系的、構造的に捉えようとするマインドセットを大切にしてほしいです。「無知の知」とは、知らないことが何かわかっているということですが、それは不遜。「不知の自覚」を持ち、好奇心旺盛に色んなことをわかろうと努めてください。

自分がわかりたいと思ったことがあったら(実は、自分で「問い」をつくるというこのことこそ最も難易度の高いことなのですが、それを立てることができたのなら)、そのことを一番よくわかっている人を探して話を聞きに行ったり、そのことについてヒントが得られそうな本を読んだりといったことを継続して行ってください。

2つ目は、思考し続けることです。世界の中で、どうしたら自分は独自の価値観を活かして他者や社会に貢献できるのかを考え、その先で実現したい未来の世界をできるだけ解像度高く描きながら、顧客への価値提案やそれを含むビジネスモデルを想起しようとしてください。

実現したい未来を思い描くこととその実現に独自の価値観を活かして取り組んでいくというところがポイントです。人によって独自の価値観は違います。営業が得意で好きだという人もいれば、企画や開発が得意で好きだという人もいるでしょう