日本よりも厳しい事業環境にあるアメリカでサバイブしてきている同国地方独立系企業で「総合業態」を主力にビジネスに取り組んできた事業者は、どう考え、何をしてきたのか?

まずは、フィットネスの先進地アメリカで、徒手空拳、小さなジムを立ち上げ、そこから資金とノウハウを貯め、総合業態を開設、途中数々の競合―フロリダ大学のフィットネスセンター開設や24時間セルフ型ジム、ブティックスタジオなどーが次々と周辺に進出するなか、幾度となくリノベーションを繰り返し、着実に成長してきた「Gainesville Health and Fitness Center」(フロリダ州ゲインズビル。以下、GH&FC)の創業者兼オーナーであるジョー・シルリ氏に、「総合業態をアップデートする」をテーマに、一問一答でインタビューした。
(訊き手 本誌編集長 古屋 武範)

―ここまでを簡単に振り返ってみてください。

順調な滑り出しではありませんでした。ジムで働いてみたものの、その会社がすぐに倒産したり、車の中で最後の12セントを握りしめて生活したりといった逆境を味わったこともあります。でも、ビジョンを持ち、その実現を信念をもって目指していこうとしてきました。チャンスは、24歳のときに訪れました。わずか1,700ドルでゲインズビル・ヘルス&フィットネス(GHF)を創業し、小さなジムの経営を始めました。それが、今につながる始まりです。

―信念とビジョンについて、お聞かせください。

「人々の健康を支援すること」、「人々が最高の自分になれるよう鼓舞する企業文化を築くこと」。私は、この2つのことに人生を捧げてきました。

また、私は、常に達成したいビジョンを持っていましたが、ある日、チームの全員が同じビジョンを持たなければ、GH&FCが真の潜在能力を発揮することはないと気づきました。

会社のビジョンを明確にし、リーダーシップチームを育成し、チームメンバーのやる気を引き出すことに力を注ぎました。今日、GH&FCが世界でも名の知れたヘルスクラブのひとつになっているとしたら、このことが大きいと思っています。

―GH&FCは、フロリダ州ゲインズビルを「アメリカで最も健康的な地域」へと導き、『INC』誌の表紙を飾ったり、フロリダ州で唯一の企業として『Forbes』誌の「2016年全米優良中小企業」に選出されたり、さらには、シルリ氏自身が