穏やかに業績が回復、成長のための基盤整備を急ぐ

2025年3月期第2四半期の決算概要

上場各社の売上高は戻りつつあるものの、安定的な成長を実現していくために、投資や経費が必要な状況であり、この分、収益性が低下しているのはやむを得ない。今後に向けて、主力業態の立て直しと新業態・サービスの開発を急ぎ、トップラインを引き上げていきたいところだろう。併せて、各社に求められるのは、そうした主活動を支える支援活動だ。人材の採用や育成、プログラム・サービスの標準化、デジタルの活用による効率化の追求などだ。

Fast Fitness Japan

新たな成長に向け投資を実行、事業の安定性を担保

株式会社Fast Fitness Japanの2025年3月期第2四半期の決算(連結)は、売上高86.34億円(前年同期比10.4%増)、営業利益14.36億円(▲28.2%)、経常利益14.64億円(同▲30.3%)、純利益8.96億円(同▲32.6%)だった。

同社は、2025年3月期からの3年間に対応した中期経営計画を策定しているが、当該第2四半期は「新たな成長ステージへの変革に向けた費用先行の投資フェーズ」と位置づけているため、増収減益となる結果は想定内としている。とはいえ、夏場の集中的なプロモーション効果もあり、二桁の増収となり、営業利益も前年比で減収となるも、期首の計画を上回り減益幅は大幅に改善している。

同社の売上の85.3%がストック収入(前年比+821百万円)であることから、変動が少なく安定している。特に、当該第2四半期は、会員数増加に伴いFC売上、店舗売上ともにストック収入が全体を牽引し、前期比で1.6%増と着実に伸長している(図1)。

国内の店舗数は、1,163店(前年比63店増)、国内の会員数は93.5万人(同12.4万名増)、海外の店舗数3店(ドイツ1店・シンガポール2店、同3店増)、FC店982店(同52店増)・直営店181店(同11店増)、FC店の会員数80.1万名(同10.8万人)・直営店13.3万名(同1.5万名)だった。

前期末比29店舗増となるなか、店舗当たり平均会員数は63人増の804人と好調に推移(図2)。既存店の新規入会の増加に加え、新規店舗においても順調に入会が進んだことが要因として挙げられる。コロナ影響前の2020年3月期との比較