コート不足、指導者不足、スクールのあり方が課題。ここに商機あり
ピックルボールは、日本国内で参加人口を徐々に伸ばしているラケットスポーツだ。
フィットネスクラブやテニススクール、フットサル、アリーナ等のほか、未利用の屋上や駐車場等に導入できる新アイテムとして注目が集まる。
市場はあるのか、導入効果はあるのか、取材を通じて明らかにしていきたい。
アメリカの参加人口1,000万人へ
日本国内1万人
ピックルボール(Pickleball)は、バドミントンのダブルスコートと同じ13.4m×6.1mのコートサイズで、プラスチック製で多数の穴があいた空洞の専用ボールをパドル(ラケット)で打ち合うラケットスポーツだ。ルールはテニスに準ずるが、ボールの速度が低く、初心者も年配者や子どもでも少しの練習でプレーができ、誰もが楽しめるのが特徴となっている。
本拠地アメリカの参加人口は1,000万人と言われており、公共施設や学校、公園などにコートが作られ、日常的なレクスポーツとして普及、プロピックルボール協会(PPA)の大会もあり賞金付き大会も開催されている。
日本では、2017年4月に長野県佐久市にピックルボール専用コートが初めて完成したとされるが、現在の状況を確認するため、一般社団法人日本ピックルボール協会の副会長してピックルボールの日本の普及活動に取り組む西上茂氏に話を聞いた。
西上氏がピックルボールを知ったのが2015年という。「初めてピックルボールをアメリカで見て、コートもコンパクトで誰もが手軽にできるスポーツで、日本にも普及するであろうことを直感し、任意団体で協会を設立し、日本での普及活動を開始した」。当時は100人程度の競技人口であったという。
その後、コロナになり協会活動は休止。ところが「コロナでアメリカから帰国した人がピックルボールを持ち込んだ。当時、帰国した人からどこでプレーができるかという問合せが寄せられた」。スポーツサークル等がレクリエーションスポーツで取り入れるケースが増えていくが、新たに注目を集めたのが2023年7月、トヨタ自動車の豊田章男会長(当時)と、16競技・総勢40名のアスリートが一堂に会した特別交流会の競技にピックルボールが採用されニュースになった。豊田氏もピックルボール愛好家であったのだ。協会は、同年9月事業者向けのピック