フィットネス業界における慢性的な人材不足──。その解決の糸口は、教育現場の変化にある。全国最大手のスポーツ系専門学校である学校法人三幸学園は、次代のトレーナーやインストラクターが、自らの知識・技術・実践力を競い合う「スポーツデザインコンペティション」を12月11日(木)、国立代々木競技場、第二体育館で開催する。現場志向の学びを体現する若い力が、業界の未来を切り拓く。
教育現場から“即戦力”を生み出す年に一度の全国舞台
13回目の開催を迎える「スポーツデザインコンペティション(以下、SDC)」は、全国のリゾート&スポーツ専門学校、スポーツ&メディカル専門学校を代表する学生が、学内予選を経て集結する全国大会だ。アスレティックトレーナー科やスポーツトレーナー科、スポーツインストラクター科、スポーツビジネス科など、学科ごとに異なる専門性を持つ学生たちが、自身の学びを“現場で通用する形”として発表する。
今年の第一部・第二部では、テーピング・コンディショニング実践、トレーニング指導、グループエクササイズ指導、イベント企画プレゼンテーションなど、まさに“指導者の登竜門”ともいえるプログラムが展開される。
フィットネスクラブやパーソナルジムの現場で直面する「人材不足」「指導品質の不均一」といった課題。その解決には、学生のうちから“考えて動く力”を持つ人材の育成が不可欠だ。SDCは、まさにその課題意識を共有する教育現場の取り組みの象徴といえる。

熱戦が示した、教育と現場の接続点
昨年12月に開催されたSDC(大さん橋ホール)では、全国10校から代表が出場し、グループエクササイズ指導、テーピング実践、トレーニング指導など、多岐にわたる競技が行われた。
エクササイズ指導部門では、入学後に初めて指導を経験した学生が、予選を経て堂々としたパフォーマンスを披露。上位入賞者の多くは、在学中に現場でのアルバイト経験を重ねており、実践の中で培われる“インストラクション力”の高さを発揮した。
トレーニング指導部門では、機能解剖学や指導スキルに基づいた具体的なアプローチが評価され、テーピング部門では限られた時間内での正確性と創意工夫が求められた。学生たちは「学びを現場でどう活かすか」を体現し、教育と実務の橋渡しとなる姿勢を示したといえる。
参加した学生から「全国の代表とつながり、自分にない強みを知ることができた」「より高いレベルを目指す意欲が湧いた」という声も多く、SDCは学生にとって単なる競技ではなく、「自己成長とネットワーク形成における貴重な場」としても機能していることがわかる。

教育現場の挑戦がフィットネス業界の底上げへ
今年の会場となる国立代々木競技場、第二体育館では、ボディメイクコンテストも開催され、男女約80名の学生が鍛え上げた身体を披露する。
審査員には専門家を招き、司会・ゲストには人気筋肉芸人やフィジーク日本チャンピオンが登場するなど、華やかかつ熱気あふれる一日となるだろう。このイベントの本質は、単なる「学生の発表会」ではない。学びと現場の接続を体現し、将来のフィットネス業界を支える人材が“現れる瞬間”を見ることができる貴重な場である。
今後の採用や人材育成のヒントを得たいフィットネス事業者にとっても、SDCは必見のイベントといえるだろう。教育現場の挑戦が、業界全体の底上げへとつながる──。12月11日、未来を担う若きトレーナーたちの熱い戦いを現地で観戦し、次代の可能性をダイレクトに感じ取ってほしい。
日時:2025年12月11日(木)
<当日のスケジュール(予定)>
第一部・第二部 10:00開始
第三部 13:15開始
場所:国立代々木競技場 第二体育館
参加費:無料
観覧対象:スポーツ・ヘルスケア業界関連企業様のみ
観覧申込〆切:12月5日(金)