アイレクススポーツライフ株式会社は2020年3月から、YouTube「アイレクススペシャルチャンネル」による動画配信をスタートした。

大津輝幸氏
株式会社アイレクススポーツライフ 取締役 第1 営業部 部長

SNSを利用しない顧客層も見やすいYouTubeで配信

同社がオンラインレッスンの提供を始めたのは、スタジオレッスンを休止した3月2日から。1日6〜7本の録画した動画を配信した。その後、3月15日〜4月17日まではスタジオレッスンは再開していたが、1日1〜2本の動画配信を続け、フィットネスクラブが休業してからは4〜5本配信。GW明けからは完全にLIVE配信に切り替え、アーカイブとして2週間ほど残した。

「3月以降、フィットネスクラブ営業中も休会される会員さまが多かったため、運動環境を提供するために配信していました。プロモーションも兼ねてYouTubeで公開しましたが、会員さま向けの内容としました。70代以上の会員さまも在籍していることから、SNSよりもYouTubeのほうが行き届くと判断しました」

告知はホームページと休業をお知らせするDMで行うと同時に、クラブ営業中は館内掲示をした。

LIVE配信を始めたのは、双方向のコミュニケーションをとるため。試験的に行ったところ反応がよく、録画配信よりもインストラクターのモチベーションも上がった。

「録画配信はいつでも見られるため、運動継続のモチベーションを保ちづらいという課題がありましたが、LIVE配信はチャットでインストラクターが応じることもできます。お客さまからはLIVEのほうが臨場感もあるとご意見をいただきました。お客さまの反応があるため、スタッフも楽しんで提供することができたと思います。また、視聴者数やチャット数などが明確になるため、指標としてモチベーションにつながったようです」

レッスンは30分だが、チャットへの対応なども含めると1時間ほどになることも多い。再生回数が多いスタッフのレッスンは視聴時間も長い傾向にあるという。

「会員さまは単純に運動したいだけでなく、コミュニケーションも楽しんでくれているのだと思います。もとは運動機会を提供することが目的でしたが、休業になってからはアイレクスと会員さまのつながりを維持することも目的としていました。様々なスタッフが出ることでアイレクス全体の雰囲気や人柄を知ってもらえる機会になったと思います。スタッフ同士のトークを配信することも意外に好評でした」

会員数の約1/3が視聴 インストラクターにより視聴数に差

展開しているプログラムは、ストレッチや筋力トレーニング、エアロビクス、ヨガなどのフリープログラムが中心だ。

これまで計450本のレッスンを提供しており、チャンネル登録者は約3,800名。チャンネル登録をしていない視聴者を含め、約1万人が視聴していた。通常スタジオレッスンに参加しているお客さまは会員数の3分の1程度であり、動画視聴数はそれ以下を想定していたが、会員外の視聴者も含め想定以上になっている。再生回数は、「プログラムの内容よりもインストラクターによる」と大津氏は言う。

「リアルなスタジオレッスンでも人気で進め方が上手なスタッフのレッスンは再生回数が多い傾向にあります。一方で、リアルよりも動画での集客がよいスタッフもいて、社員のスキルチェックの機会にもなりました」

視聴者の属性は、クラブの会員層よりも若い30〜40代の女性が多く、視聴者全体の2割程度が会員外だ。

セミナーやパーソナルトレーニグで収益化の道を模索

クラブの営業再開後、動画配信はしていない。今後は、収益化して展開することを検討している。来館者数は3月・4月より増えているが、1月以前と比べるとまだ6割〜7割程度だ。

「皆さま再開を待っていたのだと改めて実感しました。ただ、仕事の都合で継続して休会している方などもいますので、休会の方を含めた会員限定のオンラインレッスンや有料レッスンを展開することは考えています。限定公開するためにも、会員管理システムの統合も同時に検討しています」

そのほか、オンラインでの有料パーソナルトレーニングやトレーニングセミナーの開催に伴い、無料レッスンも提供して、それをプロモーションとして行うことも検討している。

これまでのように通うことが難しいお客さまへのフォローやお客さまの満足度向上、そしてフィットネス自体の継続のために、オンラインフィットネスを収益化しながら活用していく。