現在、順調に運営している企業であっても、ここまでくる道のりでは様々なことがあっただろう。どのような苦労や失敗を乗り越え、どこに成功要因を見つけたのか。当業界のリーダーらから、それぞれが学んだことについて披露していただく本連載。第41回は、株式会社Melon代表取締役 橋本大佑氏にお話を訊いた。
幸せは何で決まるか
「本当はやりたいことがあるけれど勇気が出ない」「心配で飛び出せない」。
きっと、読者のなかにもそういう人がいるのではないだろうか。心当たりがある人は、橋本さんの話を知って背中を押されるはずだ。
橋本さんは、Fitness Businessでもお馴染みMELONの経営者だ。MELONとは、メディテーション+サロンを意味する(Fitness Business通巻118号参照)。その効果は、大人に限らず、小学生もマインドフルネスによって効果を感じている(Fitness Business120号参照)。
橋本さんは、なぜ起業したのだろうか。
結論はこうだ。橋本さんは、「幸せは何で決まるか」という問いから始めた。橋本さんにとって幸せの定義は、自分らしく生きることだという。
「誰かの人生に憧れたり、世の中で良いと言われたりしている他人の評価ではなく、主観的に、心から自分らしく生きていると感じられる状態です。私は、起業によってそれが達成されました。それまでは、無意識に世の中的な成功を追いかけていました。でも、そこでは得られないものがありました」
橋本さんのキャリアに迫ってみよう。
橋本さんは、2005年に早稲田大学を卒業。留学していたため語学に優れ、外国も金融も経済も好きだった。卒業したら起業したいことを親に相談すると「失敗するから、やめとけ」と言われた。その後、シティグループ証券投資銀行本部を経て、米系資産運用会社、オークツリー・キャピタル・マネジメントでの日本株運用に携わる。
その間に、鬱を患う。自己啓発本を読み漁る日々で、仏教を知った。さらには、同僚が自殺してしまう。次第に、心というものに強い興味をもつ。そこで、出会ったのがマインドフルネス瞑想だった。時間が経つにつれて、メディテーションカルチャーを根付かせたいと思ったことや、人間が物質的な欲望を超えて、本当に充実した人生を送ることを手助けしたいと考えるようになった。
そして2019年、株式会社Melonを設立。日本初のオンライン・マイ