社会におけるフィットネスの在り方が多様化する中、活躍し続けられるトレーナーやインストラクターとは。最新の動向と必要な資格・考え方を業界のリーディングカンパニーに訊いた。
Maki Isozaki
Itsuki Oba
全国各地で増える フィットネスイベント
コロナ禍を経て、インストラクターはスポーツクラブでのレッスン数が限られた一方で、オンラインレッスンに力を入れるようになった。しかし、先月コロナのレベルが引き下げられたことで、消費者の「外に出たい」「誰かと会いたい」という欲求は増しており、フィットネス関連のイベントのニーズが加速している。
例えば、直近5年間のZUMBA®︎資格保有者によるイベント開催数の推移を見ると、コロナ前の2019年は2,446回だったのに対し、2022年はコロナ前を大きく上回る3,294回となっており、23年はすでに2,278回の申請があるなど、勢いが止まらない。
ZUMBA®に見るフィットネストレンド 「コミュニティ化」と「地域おこし」
フィットネス関連のイベントが増えるにつれサークル活動も盛んになり、コミュニティ化も加速している。最近は、若者の職場の飲み会などへの参加は減っている一方で、会社とは違うコミュニティを持つ人が増えている。ZUMBAのサークルは自身の心身の健康にもつながることに加え、インストラクターのキャラクターも継続する理由の一つになっている。
また、ZUMBAが持つ「コミュニティ=人とのつながりを作る」という性質は、地域おこしの分野にも応用されている。 例えば、静岡県の高校では、令和元年度から『楽しく地域とつながろう!ZUMBAプロジェクト』を実施しており、生徒やその家族、先生はもちろんのこと、地域住民も参加できる場がZUMBAを介して生み出されている。これは令和4年度の「コミュニティ・スクールと地域学校行動活動の一体的推進」に係る文部科学大臣表彰も受賞している。
イベントや地域おこしの需要増加で 取得すべき資格にも変化
スポーツクラブ外でのインストラクターのニーズが増えている今、これから取得すべき資格にも変化が出てきている。資格によってはプログラム提供が可能な場所や施設に制約があるため、制約が少ないプログラムの資格の需要が増えるだろう。
また、運動の得意不得意に関係なく、幅広い年齢層が取り組みやすいプログラムかどうかも重要な指標となる。
集客力のあるコンテンツを習得し 活躍し続けられるインストラクターへ
今後はスポーツクラブに依存しない働き方を実現するために、集客力のあるコンテンツを習得することが必要不可欠となる。
ZUMBAは「真似がしやすく簡単」と謳っていることもあり、ダンスや運動が苦手な人でも取り組みやすいプログラム。インストラクターとして振り付けを考えたい人は考える自由度がありながら、苦手な人は丸々一式真似をすれば1レッスン提供できるサポート体制もあるので初めの一歩が出やすい。
別の分野で強みを持っているインストラクターも、ZUMBAの集客力を活かすことでイベントの開催やお客さまのコミュニティ化を実現できる。「ZUMBAは楽しんで取り組めるプログラムであるがゆえに外から見ると遊びのように見えるかもしれませんが、中身はとても考えて作られています。ぜひこの機会にトレーニングコースを受講して本質を知ってもらえるとうれしいです」