穏やかに業績が回復、成長のための基盤整備を急ぐ
2025年3月期第2四半期の決算概要
上場各社の売上高は戻りつつあるものの、安定的な成長を実現していくために、投資や経費が必要な状況であり、この分、収益性が低下しているのはやむを得ない。今後に向けて、主力業態の立て直しと新業態・サービスの開発を急ぎ、トップラインを引き上げていきたいところだろう。併せて、各社に求められるのは、そうした主活動を支える支援活動だ。人材の採用や育成、プログラム・サービスの標準化、デジタルの活用による効率化の追求などだ。
RIZAPグループ
通期で全社の営業利益63億円達成を目指す
RIZAPグループ株式会社の2025年3月期第2四半期のIFRSによる決算(連結)は、売上収益851.15億円(前年同期比8.9%増)、営業利益▲25.29億円(―)、最終利益▲42.82億円(―)となった。
RIZAP関連事業の売上収益は、250.86億円(43.2%増)、営業利益▲17.51億円(―)となった。SOMPOホールディングスから300億円の出資を得るなどして、choco ZAP事業は、店舗品質、顧客満足度向上施策、新たな集客施策などを実施し、成長を継続している。
会員数は、この1年間で29.1万名を積み増し、11月15日時点で、日本一となる130.1万名に達している。店舗数は1,755店(前年比595店増)となっている。1店舗当たり741名が在籍していることになる。
地方出店も強化しており、2023年6月時点で27.6%だった地方店舗の構成比率を2024年9月時点で35.9%まで引き上げている。地方店舗は、当初計画していた必要最低限の商圏人口を大幅に下回っても出店し、利益を創出できることもわかってきたため、今後も展開を強めていく。
課題だった退会対策についても、「ちょこっとサポート」や来館がない顧客へのアプリ画面によるコミュニケーション、清掃パートナーの拡充、マシン故障対応の迅速化などに取り組み、退会率を安定的に推移させてきている(図1)。
ちょこっとサポートの副次効果として、RIZAPのボディメイク入会の増加があることが確認できている。RIZAP新規本入会者のうち、18.4%がchocoZAP会員であり、この率は増加傾向にある。また、顧客満足度を向上す