Technogym のテクノロジーを活用、真のメディカルフィットネスを実現
「健康を維持したい」、「シェイプアップしたい」。生活者がフィットネスクラブの扉を開く目的は多様である。理想のゴールへたどり着くために、トレーナーはもちろん、ユーザー自らも身体が今どういう状態であるかを正確に把握することがカギとなってくる。そこで重要なことは、トレーナーとユーザーの双方が、共通の情報を理解し、共に歩んでいくこと。株式会社アーバンフィット(以下、同社)が展開するURBAN FIT24では、パートナーとしてTechnogymを選択している。他の24時間ジムと一線を画す特徴、事業運営において大切にしていること、今後の展望などを訊いた。

株式会社アーバンフィット
代表取締役社長 山本景士氏(右)
パーソナル・ケア事業部 藤井志帆氏(左)
上質な空間と人の手によるサポートが生む“ 安心感”


「トレーニングマシンを並べただけのジムではなく、上質な空間を、満足いただける価格で、すべての会員の皆さまに『最高のフィットネスライフ』を楽しんでいただく」をモットーに、急成長を遂げているURBAN FIT24は現在、直営・フランチャイズ合わせて全
国で23店舗を展開している。
同社で代表取締役社長を務める山本景士氏は施設の特徴として1つ目に、ブルックリンスタイルとモダンスタイルを掛け合わせた上質な空間づくりを挙げる。「一般的な24時間ジムでは、簡素な空間にただマシンを並べて、会員さまが自由に使っていただくスタイルが多いと思いますが、上質な空間でモチベーションを高め、満足いくトレーニングを集中して行ってもらえるような空間になっています」と話す。
次に同氏は2つ目の特徴として、スタッフによるサポートを挙げる。「無人環境の24時間ジムが多いなか、黙々とトレーニングする会員さまには、自分の運動が正しいのか理解していない方が多い。また、運動に不安を抱えたまま利用を続け、成果が見出せず退会してしまう方もいます。目的を叶えていただくために、24時間ジムといえど我々は長い時間スタッフを配置し、ホスピタリティを持って会員さま一人ひとりに寄り添ったサポートを心掛け、実践しています」。
URBAN FIT24は運動初心者や健康意識の高い女性層に多く支持されており、24時間ジムながら女性会員の比率は約4割を占めている。
医療とつながる“ メディカルフィットネス” への布石

すべての人々が持続的に健康を得られることを事業モデルとし、「心と身体の両面をいきいき健康に」をスローガンに掲げている同社。“運動される方が自分らしく健康を維持でき、自身の夢に向かって活動できる時間をできるだけ長く保てるような、身体づくりの支援”を自社の価値と捉え、その実現ができるフィットネスジムを目指している。
同社は、医療的視点を取り入れた「メディカルフィットネス」にも注力している。その象徴が、大阪・梅田店および東京・飯田橋駅前店で取得した、厚生労働省が認可する「指定運動療法施設」だ。
梅田店では、医師が発行する運動療法の処方箋に基づき、施設に常駐している健康運動指導士が生活習慣病患者などに専門的なプログラムを作成し、パーソナルトレーナーが提供している。
「医療費抑制や健康寿命の延伸が社会課題となるなかで、我々が果たせる役割は大きい。誰もが自分らしく生きられる“持続可能な健康”を支えるジムでありたい」と山本氏は語る。この取り組みは、他社との大きな差別化ポイントの1つになっている。
テクノロジーとの融合で進化するユーザーとトレーナーのジム体験

約100 ~ 160坪の敷地面積で店舗展開をしているURBAN FIT24、24時間ジムとしては大型の施設といえる。
「すべての部位をしっかりとトレーニングすることができる、すべてのトレーニングが完結できる施設を目指すには、有能なマシンを一式そろえる必要がある」と山本氏。その運営にあたり、数多くのメーカーから同社が選択したのが、イタリア発のプレミアムブランド「Technogym」だ。導入の理由について山本氏は「デザイン性、人間工学、耐久性、すべてにおいて他社より抜きん出ていた」と話す。
飯田橋駅前店では、最新のアセスメントステーション「Technogym Checkup」を導入した。体組成、可動域、バランス、持久力、筋力、認知機能を総合的に測定し、ユーザーの身体のコンディションが数値によって可視化され、トレーナーとユーザーが共に現状課題と解決意識を共有できる点が、高く評価されている理由である。
同社パーソナル・ケア事業部の藤井志帆氏は「導入前までは、ボディケアによって柔軟性や可動域といったところを感覚で評価することが多かったです。Technogym Checkupで測定し数値化してみると、可視化されたデータを通じて、日々のトレーニングに対しての会員さまとの対話の質が変わるだけでなく、より効果的なプログラムが組めるようにもなりました。また、会員さまの運動のモチベーションが上がり、継続率の向上につながることに加え、トレーナーも喜びを一緒に感じる機会が増えました」と、その多くのメリットを嬉しそうに話す。また藤井氏はTechnogymのマシンに対して「シート位置の目安や軌道の安定性など、ユーザーフレンドリーな設計も継続率向上に寄与している」と語る。

同ブランドは3年ほど前、子育てや介護、医療に従事される方々の業務改善や生産性向上の面で支援し、クラウドサービスの提供を行うカナミックネットワークに加わった。「介護予防や生産世代の健康増進、少子高齢化といった日本の社会問題に対し、健康寿命の延伸を第一に、カナミックネットワークとして健康増進の事業を始めていきたいと考えた」と山本氏。その考えにURBAN FITも共鳴し、グループインしてから店舗数を拡大していった。
同社とパートナーを組むTechnogymのソリューションは、URBAN FITの会員専用アプリとも将来的に連携される予定だという。入退館管理、トレーニング記録、食事管理、体組成データ、Technogym Checkupの測定結果など、ジムを利用するうえで大切なすべてがアプリで完結し、会員ごとのヘルスケア情報が一元管理できるのだ。「これまで感覚に頼っていた部分が、データで裏付けされることで、施設としての信頼性やサービスの質が向上している。フィットネス×メディカル×DXの融合が、これからの当たり前になります」と山本氏は力強く語る。
“ 健康美” の育成にも寄与

URBAN FIT24 は、Miss GlobalJapan2025のビューティキャンプというサポートにも力を注ぐ。同大会のファイナリストたちは、施設でのトレーニングやTechnogym Checkupによる測定を通じて、自身の身体を科学的に理解しながら健康的な美を追求することができる。
大会の統括責任者を務める井嵜綾氏は、自身も現役時代に梅田店を利用していたという。「美しさは細さではなく、健康がベース。両社のサポートは、まさにその価値観を体現している」と井嵜氏は語り、今後の連携にも期待を寄せている。
“ 運動で人生が変わる”を当たり前にするために

2030年までに100店舗体制を目指している同社。ただ数を増やすのではなく、1店舗ずつ地域に根差した形で、メディカルフィットネスの機能を強化しながら、生活者一人ひとりの健康増進を下支えしていく考えだ。
「単なる筋トレ施設ではなく、人生の可能性を広げる“健康の起点”でありたい」と語る山本氏。
今後は海外への展開も視野に入れて、ウェルビーイングとなる人々を増やしていく。テクノロジーを駆使し、健康寿命の延伸という社会課題に真正面から挑むURBAN FIT24とTechnogymの共存による挑戦は、これからのフィットネス業界の新たな指針となるだろう。