京都府内で総合スポーツクラブ「ヘミング」を展開する株式会社スカイ(以下、同社)は、多くのクラブが新たな方向性を模索するなか、確かな価値提案とブランド力、手厚いサポート体制を武器に成功を収めている。

同社はスイミングで培ったノウハウを活かしつつ、「エイベックス・ダンスマスター」を導入。既存会員の満足度向上と新規顧客層の開拓を同時に実現している。

3店舗への展開を推進した営業部課長の熊谷圭悟氏に、導入成功のカギと今後の可能性について訊いた。

  • 株式会社スカイ
    営業部 課長
    熊谷圭悟氏

既存会員が3割併用、確かな相乗効果

「あらゆる世代の『サードプレイス』となる」という理念のもと、長年のスイミングスクール運営でノウハウを蓄積してきた同社。高まり続けるダンスの社会的な需要を受け、次の一手としてその事業へ着目したのは、ごく自然な流れ。その流れを決定づけたのが、ダンスを通じて子どもたちが成長する姿に感銘を受け、その感動を多くの家庭に届けることを自社の使命と考えた同社代表取締役社長・籔内隆之氏の強い思いだ。

「最も信頼できるブランドであるエイベックスに託したいと、考えていたようです」と熊谷氏は明かす。

そのビジョンを形にしたのが2023年4月。ヘミング亀岡店、出町店で先行導入を開始。今年4月、伏見店にも導入し、現在3店舗で「キッズダンスを地域に普及させ、クラブの認知度を高める」との明確な目的を掲げている。

集客は極めて好調という。その要因を熊谷氏は、「開校前から約2ヶ月を販促強化期間と定め、紙媒体とwebの両面からアプローチしました。特にwebプロモーションでは、エイベックスと密に連携し、出稿のタイミングやボリュームを細かく相談できたことが大きな助けとなりました」と分析する。

さらに、スイミングで培った分析力を活かした地域密着のエリア戦略も奏功。館内プロモーションも大きな成果を上げた。ダンス受講生の約3割がスイミングを併用し、想定以上の相乗効果を感じている。エイベックスを起点にヘミングを知る人も多く、その“ブラ
ンド力”の高さが相互の認知度向上につながり、クラブ運営にも大きく貢献していることは想像に難くない。

成功を支えるもう1つの大きな要因が、インストラクターの質の高さだ。「子どもや保護者の心を掴むコミュニケーション能力に長けた、経験豊富な先生方ばかり。レッスンだけでなく運営にも協力的で心強い存在」と熊谷氏が信頼を寄せるように、店舗と三位一体で目標を目指すエイベックスの姿勢が、現場を力強く支えている。

顧客ロイヤルティを生む「感動体験」

エイベックス・ダンスマスターがもたらす価値は、受講生や保護者にも明確なメリットとして届いている。熊谷氏は、ダンスを通じて子どもたちが得るものは技術向上だけに止まらないと話す。

「集団レッスンを通じて、表現力はもちろん、協調性やチームワークといった社交性も育まれます。保護者の皆さまにとって、そうしたお子さまの成長過程を間近で見て共有できる時間そのものが、何よりの喜びになっているようです」と表情を和らげる。

成長が最も顕著に表れるのが、大規模な発表会「DANCE NATION」や「DANCE KINGDOM」だ。「基本的なステップを練習していた子が、ステージ上で堂々と踊る姿に感動しました。発表後の晴れやかな表情は忘れられません」と熱く語る熊谷氏。この貴重な経験が「もっとうまくなりたい」という意欲をかき立て、結果として会員継続の強い動機にもつながる。

ともに歩む、唯一無二のパートナー

導入の影響は、クラブ内部にも色濃く現れた。総合スポーツクラブであるがゆえに、当初懸念された成人会員からの利用スペースに対しての異論はなく、むしろ「エイベックス」の知名度がクラブ全体を活性化させた。熊谷氏は「何より、導入を機にスタッフの自発的な行動が増え、組織として大きく成長できたことは大きな収穫」と語る。

組織として成長したことが、3店舗各々が地域社会へ貢献していくうえでの大きな原動力となっているのだ。

加えて、「今後も時代やお客さまのニーズの変化に対応した提案を期待しています」という熊谷氏。この言葉が示すように、同社にとってエイベックス・ダンスマスターは単なる集客や収益向上のためのプログラムではない。

スタッフを育て、クラブ文化を醸成し、「地域No.1のウェルビーイング経営」という高みへともに歩む、唯一無二の戦略的パートナーなのである。