介護予防の自己負担増と民間移行は「全体最適」か
―2026年度報酬改定を機に考える持続可能な仕組みづくり、
   フィットネス事業者が担う社会的役割と参入の可能性

2026年度の介護報酬改定では賃上げと負担増が同時進行する。
要支援者の一部を民間フィットネスサービスへ段階的に移行させることは、財政健全化と利用者の選択肢拡大を両立する最適解になるか。
実現に向けた課題と、フィットネス事業者に求められる役割を考察する。

介護報酬改定の方向性が出されましたが、ポイントは、以下の通りです。
◆臨時改定による賃上げ
・物価高騰を受け、2026年度中にも介護職員の処遇改善を目的とした臨時改定が実施されます。
・これに先立ち、2025年12月から2026年5月にかけて介護職員に対する月1万円相当の賃上げ支援が行われます。 
◆2割負担者の拡大
・2025年12月1日、厚生労働省は介護保険サービスの自己負担が2割となる対象者の年収基準引き下げを発表しました。
・年収基準を280万円から最大230万円に引き下げることで、2026年度以降、最大35万人が新たに2割負担の対象となる可能性があります。
・これに伴い、サービス利用料が値上がりする可能性も指摘されています。
◆ 処遇改善加算の見直し
・臨時改定に向けて、処遇改善加算の算定要件など、介護職員の賃上げに向けた報酬構造が検討されます。

こうした負担増の議論が進むなかで、より持続可能な仕組みを考えていく必要があります。そして、その考えを出していき、議論を活性化していきたいところです。
現在、日本の介護予防サービスは、介護保険からの公的な補助があるため、利用者は月額3,000〜4,000円程度(月6〜8回利用の場合)に押さえられていますが、それはより広い枠組みから見たときに、本当に健全と言えるのでしょうか?

例えば、要支援1の一部などコンディションがそれほど悪くない人は、自費で介護予防を続ける方向に向かうように、もう少し自己負担を増して、週2回の利用