会員制ビジネスにおける恒常的な課題「会費の未払い」。その回収は、手作業や電話対応といったアナログな手法に依存しがちで、事業者は膨大な工数と従業員への精神的負担を強いられている。特に24時間営業のジムなど、少人数体制で運営する店舗にとって、未払い金の回収業務は会員へのサービス品質を低下させかねない深刻なタスクとなっている。この課題を解決するため、弁護士が創業した株式会社AtoJ提供の未払い問題を全方位解決するODRソリューション「OneNegotiation(ワンネゴ)」に着目する。本記事では、ワンネゴ導入により従業員負担を大幅に軽減し、解決率50%以上を達成、財務改善と現場力向上を両立させたウェルネス・コーチ株式会社の事例に迫る。


ウェルネス・コーチ株式会社
代表取締役社長 兼 CEO
下澤洋昭氏

 


「未払い」による課題ともたらす負担

ウェルネス・コーチ株式会社(以下、同社)は、フィットネスとインドアゴルフの2事業を主力としている。

同社は2017年以降、フィットネス事業において、24時間年中無休のフィットネスジム「エニタイムフィットネス」の大手フランチャイジーとして関西エリアを中心に38店舗を展開。

「Get Fit,Get Smile.」をビジョンに掲げ、順調に運営店舗数を伸ばす一方で、避けては通れない「会費の未払い」という経営課題に直面していた。

代表取締役社長 兼 CEOの下澤洋昭氏は「会費の未払いにより、年間で数百万円規模のキャッシュフローの損失が発生していた。解決するための電話、メール・ハガキ送付は、労働時間の増加という従業員の大きな負担となっていました。結果、接客や指導という本来業務に支障をきたすケースも少なくありませんでした」と、未払い対応が現場を疲弊させていた状況を振り返る。

そのような状況下において、未払い金の回収における工数と時間を劇的に削減できるソリューション「ワンネゴ」に出会った。


財務・経営面から見える導入成果

ワンネゴは、新たな投資を必要とせず、回収を諦めかけていた未払い金を追加投資ゼロで解消できる点が最大の特長だ。下澤氏はサービスの概要を知り、その即効性から導入を即決した。

導入前の月間工数は約50時間(リスト更新、連絡業務、入金確認・紐づけなど)に及んでいたが、ワンネゴ活用により約20分で完了できるまでになった。工数削減効果は約99%に上る。「諦めかけていた未払い金の約50%以上が解決し、キャッシュフローの改善と損失削減に直結しました。また、未解決分はスムーズに損金処理として扱えるようになり、利益率の改善につながったのも大きなメリットです」。

業務負担の大幅軽減に加え、現場から「未払いについて話し合いで合意を目指すシステムが導入されたことで、会員さまとのコミュニケーションがスムーズになり、退会抑止にもつながった」という副次的効果が報告されている。

高い解決率を支える要因は「弁護士が運営し、法務省により認知された機関からの通知という重み」と、未払い対象者がweb画面上の選択肢をタップするだけで応諾や交渉を完結できる「簡便性」にある。その解決件数は18,000件を超え、オンライン紛争解決の取り扱い実績、2024年度業界No. 1※だ。
※出典:法務省 認証紛争解決サービス 統計資料 https://www.adr.go.jp/other/statistics/


経営の安定化に直結するサービス

キャッシュフローが安定したことで、経営計画の精度が向上し、将来への投資や新規事業への資金配分が柔軟になったという。下澤氏は「これは即効性のある、やらない理由がない改善策です。回収した未払い会費はキャッシュフローを安定させ、スタッフの負担軽減と財務改善が同時に実現できる。経営の安定化に直結するサービスだと断言できます」と力強く語った。

数値に裏打ちされた本導入効果は、会員制ビジネスにおける未払い回収のあり方を変え、クラブ経営の新たなスタンダードとなるだろう。