ユーザーの満足度低下や継続率低下を招いてしまう、慢性的な人材不足と指導品質の不均一。それは多くのフィットネス事業者や現場が直面している共通課題だ。その解決のカギを、「教育現場」に見出す取り組みがある。学校法人三幸学園が2025年12月11日(木)に開催した「スポーツデザインコンペティション(以下、SDC)」は、全国のリゾート&スポーツ専門学校、スポーツ&メディカル専門学校を代表する学生が知識・技術・実践力を競い合う全国大会だ。現場を想定した実践的な競技内容は、フィットネス業界の未来を担う人材の“今”と“可能性”を鮮明に映し出していた。

あらゆる現場を想定した競技が育む“即戦力人材”への最短距離

13回目を迎えた2025年のSDC本大会は、国立代々木競技場、第二体育館で開催された。

専門学校で育成すべき「知識・技術・実践力」をアウトプットし、コンテスト形式で習熟度を競う学びとの連動に重きを置いた、学校法人三幸学園のスポーツ分野専門学校の全国行事として位置づけられている。2025年大会では新種目も導入され、より現場に近い状況下での実践力が問われた点が大きな特徴といえる。

第一部に行われた「スポーツグループエクササイズ実践」では、選手が自ら設定した得意分野のレッスンを3分間という制限の中、インストラクターとしての振舞いを構成力・表現力・指導力から審査される形式。試技終了後に審査員から「将来どのようなインストラクターを目指しているか」といった質問があり、自身のキャリアについて目標宣言をする善き機会となった。

続いて行われた新種目「ボディメンテナンス実践」はお客さまに対するコミュニケーション能力や検査・施術のテクニックを総合的に審査・評価。挨拶から問診・検査、施術・検査からラストコミュニケーションまでの一連の流れを評価対象とし、技術だけでなく顧客対応力が厳しく審査された。

これらは、クラブの現場が求める「即戦力像」をそのまま反映した内容であり、教育と実務の距離が確実に縮まっていることを示している。

専門性と顧客視点を磨く実践型評価

テーピング&コンディショニング実践」、「トレーニング&栄養指導実践」といった、専門性の高い競技が第二部では行われた。

「テーピング&コンディショニング実践」は今回、当日の実演時にその場で課題が提示される形式が採用され、臨機応変な判断力や本質的理解が試された。審査員からはテーピングにおける速さや精度、効果といった技術レベルの向上に加え、「相手がどう感じるかを意識した指導」「クライアント視点の重要性」といったコメントが多く寄せられた点が印象的だ。これは、単なる技術者ではなく、サービス提供者としてのトレーナー像が明確に育成されている証左といえるだろう。

各校の連携チームやスポーツ関連企業とともに実施したイベント等の報告を行う初種目「イベント実施報告・企画プレゼンテーション」では、審査員から地域特性やオリジナリティあるテーマを評価された。

学生たちは競技を通じて、自身の強みと課題を可視化し、より高いレベルを目指す意識を強めていた。

採用と育成の未来を示す、大会価値

第三部で実施された大人気を博す「ボディメイクコンテスト」では、各校予選を勝ち抜いた男女80名が自ら鍛え上げた肉体美とベストパフォーマンスを披露した。

本大会は、将来の採用候補に巡り会える場であると同時に、人材育成における数多くのヒントを得ることができる貴重な機会だ。若い世代がここまで実践力を高めている現実は、人材不足に悩む事業者や現場にとって明るい材料となるだろう。今年開催される14回大会では、ぜひ現地で、その成長と可能性を体感してほしい。