「ピックルボール」が、日本でも市場形成のフェーズに入りつつある。テニス、バドミントン、卓球等のスポーツがプレーヤーとして楽しめるようになるためには一定期間の練習が必要なことに対して、初心者が短時間の練習でラリーができるようになる気軽さから世界的に急速に普及、世界の著名人やセレブ達が愛好家としてSNSを賑わせたことも手伝い、現在では70カ国以上でプレーされるとされる。日本でもこうした世界の波を受けて徐々に参加人口を増やし、ビジネスも動き出している。では、フィットネス・スポーツ施設事業者は、このブームの中、ピックルボール事業にどう向き合うか。

日米の市場動向とビジネスモデル

ピックルボールの世界的な盛り上がりを背景に、日本国内でもピックルボールに関する各種サービスが出現してきている。同じスポーツサービスを提供する総合型クラブやテニスクラブ等の民間スポーツ施設が、スペースや指導人材、運営ノウハウを持つのであるから、このブームに乗り事業参入するのが望ましいが、「消費者から参加費や会費、コートレンタル等の費用を徴収できるビジネスになるのか」「自治体の体育館で収束するのでは」「簡単にプレーできるのでスクール需要はないのでは」「今の施設で導入するにもスペースも時間もない」等、事業者側が踏み出せない不安の声をよく耳にする。

そこで本特集では事業化の成果のほどを探るため、先行してピックルボール事業に取り組むGODAIグループ、株式会社ITC、株式会社ティップネスの取材を行った。その内容は各社それぞれで、事例紹介のページでお読みいただくとして、まずは最新のピックルボールの市場動向を見ておきたい。

アメリカの競技人口は4,800万人を超えると、APP(Association of Pickleball Players)はじめ米国のピックルボール関連協会、各リサーチレポートが公表している(図表1のデータは、2025〜2026年初頭時点の各種リサーチレポートおよび公開情報をもとに、「ピクラ(※)」が公開したデータを紹介する)。一方、日本の競技人口は5万人と、まだ黎明期にあるが、競技人口は増加傾向にある。

また、「ピクラ」のサイト上では、図表2のような各種指標もまとめられている。

※ピクラ:日本最大のピックルボールプラットフォーム

 

図表2を見る限り、日米の現状の各種指標は