株式会社Team39(以下、Team39)は、仲町台スポーツパークをユニバーサルキッズ仲町台内に開設し、新装されたプール、体育館、多目的コートでは様々なジュニア専門のスポーツ教室を開校する。7月より順次体験会を実施し、9月のオープンを予定している。元水泳平泳ぎ日本代表で、オリンピック金メダリストである北島康介氏が運営するスイミングスクール「KITAJIMAQUATICS(キタジマアクアティクス)」も同施設内で事業を実施する。

子どもたちの運動機会の減少と空き家問題を解決する

藤田 豊氏
株式会社Team39 代表取締役

株式会社フォーハンズ(以下、フォーハンズ)が手がけるインターナショナル幼保園である、ユニバーサルキッズ仲町台のなかに、Team39が運営するジュニア専門スポーツ施設の仲町台スポーツパークをオープンする。場所は神奈川県で、横浜市営地下鉄ブルーライン「仲町台」駅から徒歩1分だ。Team39は4月に類似施設であるプレディタウン白金スポーツパークをオープンしており、仲町台が2施設目となる。「子どもたちにとって運動できる場所がとにかく少ないと感じています。それに加えて、日本は人口が減少していき、空き家や空きスペースが大きな社会問題になろうとしています。それらを解決したくて、この事業を始めました」と話す藤田氏。実は、藤田氏は元Jリーガーであり、現役を退いてからもサッカー教室を開講してきた経緯がある。しかし、仲町台スポーツパークにおいては野球やラグビー、水泳などを含めて10種目以上の競技をひとつの施設で実施することができる。基本的に平日の午後3時まではユニバーサルキッズの生徒が同施設を利用し、それ以外の時間で地域のジュニア世代に一般開放している。

アスリートが身近になる夢のスポーツ教室

拘っているのは、ハイレベルな講師陣による現場指導である。既述したように北島康介氏の水泳教室を始めとして、それ以外の種目についても日本代表クラスの選りすぐりのアスリートを集めている。

例えば、元サッカー日本代表の長谷部誠選手や、FC東京の指導者も施設で子どもたちに指導をした実績がある。「スポーツ施設が誕生するだけだと、地域の方々にどういう施設なのか十分には伝わらないのです。ブランディング活動を通じて地域の方に魅力を感じてもらうことで、問い合わせを増やしています」と藤田氏は話す。

一流の輝かしいアスリートが教えるとなると、スポーツエリートの子どもたちにスパルタで競技力を向上させるような施設なのではないかと考える人も少なくはないだろう。確かに、一流のアスリートから教わる方が、競技の上達の確率は格段に高まる。

しかし、藤田氏が最も大切にしていることは「スポーツそのものを子どもたちに楽しいと思ってもらう」ことでスポーツパークとしても大切にしている価値観のひとつだ。

「私もJリーガーになった身ですしほかの一流のアスリートも口をそろえて言うことは、そのスポーツを幼少期に心から好きになることが最重要だと考えています。その根幹がないと、歳を重ねるうちに必ず伸びなくなります」と断言する。

事実、プロアスリートの世界というのは競争が激しく、厳しい世界だ。そこで生き残る力の源は、「好き」という想いの強さなのだ。

元Jリーガーが想うスポーツを通じた社会貢献

「私は、当時中学2年生だった’98年のフランスワールドカップで、幸運にも応募した抽選が当たり、ボール拾いとして神聖なピッチに立つことができました。そこで夢を見たんです。プロになりたいと」藤田氏は熱を込めて続ける。「今度は、子どもたちに夢を見させてあげたい。そういう場所にしていきたいですし、今後ももっと多くの空きスペースをスポーツ施設へとリノベーションしていきます」。

それだけでも素晴らしいのだが、藤田氏はアスリートのセカンドキャリアまで考えて事業を立ち上げている。引退したアスリートが行き場をなくすのではなく、スポーツパークが彼らにとって、次世代の子どもたちに己が愛した競技を教えられるフィールドになることに意義がある。日本を代表する選手が、ここから羽ばたいていく未来がすぐ近くまで来ている。