「モーターコントロール」を、一般生活者にも啓発へ

武田淳也さん
Pilates Lab
MD, NCPT
整形外科 スポーツ・
栄養クリニック

 

近年、スポーツ医学会をリードするトップドクターや医療関係者に、ピラティスが注目されている。その理由は、整形外科領域の運動療法として「モーターコントロール」(略称:モタコン)の重要性が注目されており、その効果的な手法、モタコン・エクササイズの代表として「ピラティス」が位置づけられているからだ。

動作療法もしくは養生法(movement regimen)としてのピラティスと徒手・触知(manual/tactile)アプローチの融合

自身もスポーツドクターでかつ、ピラティスの世界的な資格NCPT認定者である武田淳也さんは、20 05年頃、米国でいち早く「モタコン」の概念に出会い普及に努めてきた。2018年に武田さんが企画・座長・発表者として携わった、国内のスポーツ医学会としては初の「モタコン」をテーマとしたシンポジウムが広く知られる契機となったという。

「『モタコン』とは、『様々な環境で姿勢と動作を維持・変化させる能力』と定義されており、この概念のエクササイズのニーズが高まっています。ピラティスメソッドをさらに発展させて開発したMCBP(Motor Control®️: BeyondPilates®️ モーターコントロール・ビヨンドピラティス)は、ITTAPというピラティスの国際基準をクリアした日本唯一のメソッドとして、世界的にも高い評価を受けています」

単に形だけではなく、バイオメカニクスに基づいて機能を最大限、効果的に引き出す指導法を学ぶ。 上記2枚の写真は、医療機関で、ピラティス専用器具の全てを用いたMCBPコンプリヘンシブ(Comprehensive)コース前期:「ファウンデーション(Foundation)コース」を実際に指導している時の風景

武田さんは、この「モーターコントロール」の概念を、専門家だけではなく、より親しみやすく『モタコン』として、一般生活者にも啓発していく。現在、大手メディアや、日本最大の医学会である第31回日本医学会総会の博覧会(2023年4月15日~23日)でも、『モタコン』の呼称とともに「モーターコントロール」の概念を情報発信し、ピラティスの効用を一般生活者にも届ける機会がすでに決定している。