「サッカーをはじめとするスポーツの感動や喜びを伝え、スポーツが日常にある文化を育み、次世代に向けて豊かな地域・社会を創っていきます。」、サッカーJ1「浦和レッズ」の活動理念内に謳われている宣言である。日本のプロサッカーチームにおいて、絶大な人気を誇り、熱いファン・サポーターをもつ同クラブは、“サッカーの街、浦和”のシンボルだ。その経営を取締役副社長として支える清水稔氏の熱きリーダーシップに迫る。
―御社・サッカー業界の現状を、お聞かせいただけますでしょうか?
昨シーズンは、3度目のACL(AFCアジアチャンピオンズリーグ)を制覇したことや、YBCルヴァンカップで決勝戦まで進めたことによる、広告料収入や入場券収入、グッズ収入の増収の結果、2023年度の事業収入がクラブ史上初めて100億円の売り上げを突破することができました。これもひとえに、クラブを支えてくださるスポンサー企業やホームタウンの皆さま、そしてファン・サポーターの皆さまのお陰であります。平均入場者数は、リーグ戦で3万509人、埼玉スタジアムで開催した試合は3万2236人、土日祝日に埼玉スタジアムで開催した試合は4万人を超え、非常に多くの皆さんに応援いただき、大変感謝しています。
Jリーグは開幕から30年が過ぎ、チーム数も増えているなか、各チームが様々な活動に取り組んできました。ファン・サポーターをはじめとした多くの方々のお力もお借りしながらコロナ禍を乗り越え、エンターテインメントとしてのスポーツが日常に戻り、サッカー業界全体が盛り上がりを見せていると感じます。
少子化の時代において、家族で楽しめるコンテンツの提供を通じ、ファミリー層やサッカーのライトファン層の来場を増やしていくことは、リーグ全体にとっても我々クラブにとっても、重要な取り組みであり、今以上に工夫していかなければならないと考えています。
これまで“サッカーの街、浦和”において、フットボールと誠実に向き合いながら、地域と共に歩んでこれたことを誇りに思っています。地域から支えられ、地域の方々が応援してくださることで、私たちだけでは創出できない大きなエネルギーが生まれています。その点をリスペクトしながら、何を考え、何を行動に移していくべきなのかということを、常に自問し続けなければならないと思っています。
つい目の前の試合やイベント業務に意識が向いてしまいますが