水素水サーバーがフィットネスクラブのオプションとして定着しつつあるなか、さらなる “水素”の活用方法が広がってきている。その最前線を、株式会社ドクターズ・マン 橋本 総(はしもと・そう)氏に訊いた(以下、敬称略)。

  • 橋本 総氏
    株式会社ドクターズ・マン
    代表取締役

古屋:今、“水素”市場には、どんなトレンドがあるのでしょうか?

橋本:まずメディアによく掲載されるようになり、最先端の研究と一般消費者が得られる情報に隔たりがなくなり、親しみやすくなってきていますね。トレンドとしては、エネルギーでの活用が着目されています。水素で走る自動車などはその代表例と言えるでしょう。トヨタ自動車は、カーボンニュートラルの実現に向けて、領域を分散させつつも、その取り組みを加速させています。

海外からの水素の輸入も進んでいます。そのほうがコストが安くなるのです。国内では、川崎重工や岩谷産業などが先行していますね。

古屋:健康産業以外でも、活用が進んできていますね。

橋本:工業分野の水素は、純度が100%でなくても活用できるのですが、人の身体に使う場合はもちろん純度100%ですので、そのためにコストが必要になります。その点では、工業とヘルスケア(医療)では、線引きがあります。

古屋:ウェルネスやフィットネス領域でのイノベーションは、どうでしょう?

橋本:研究のフェーズの進みと、用途の細分化の2つの傾向が見られます。研究は、国立大学で医師主導のもと、国の予算で行われています。実装段階に入ってきて、医療機器や医療現場での活用のために教授が責任者となるケースも目立ってきています。海外では、臓器移植で、これからもっと活用が進んでいくでしょう。

古屋:水素は、経口が多いですか?

橋本:それ以外にもあります(表1)。今後は、高齢者向けに自宅での吸入がさらに普及するのではないでしょうか。

◆表1 吸収⽅法

吸収⽅法 吸収する場所
吸⼊ 肺→⼼臓→動脈→脳
経⽪ ⽪膚→⾎管→全⾝
飲⽤ 腸→腸管→⾨脈
※取材をもとにFitness Business 編集部が作成
※接種の⽬的によって量や質は異なる
※コロナ禍では、医師会から吸⼊の重要性に関する呼びかけがあった
 

古屋:水素の価値には、どのようなことを感じていますか?

橋本:当社は医療の領域にも展開しているので、患者さまがよくなることが喜びです。この領域では、自律神経系の不調や不眠、偏頭痛や更年期障害など、不定愁訴を抱える方にドクターが試すという傾向が見られます。ただ、理想は、その前の活用をいかに世の中に広めていけるか(予防)にあり、フィットネスはそれにあたります。フィットネスクラブは、比較的、元気で、抗酸化作用に惹かれる方が多く利用されていますので、当社としてももっと広めていきたいと考えています。

古屋:WHOによると、2030年には、うつ病が『健康な生活に影響を及ぼす疾病』として1位になるとのことです。

橋本:水素は、メンタルクリニックでも使われていますよ。

ほかにも、企業の人事ご担当者さまから、社員食堂に設置したいというお声もあります。体調不良による休暇や生産性向上など、可能性があるシーンを見つけ、提案したいです。

古屋:ドクターズ・マンとほかのメーカーとの違いは、ズバリ、どこでしょう?

橋本:いつ飲んでも高濃度の水素を運用できること、健康のために飲んでいただくので、安全性(品質)を第一に考えています。

古屋:今後の展望をお聞かせください。

橋本:品質向上のため、日々、研究や開発に力を注ぎ、フィットネスクラブでの付帯率100%を目指しています。会員さま自身にも、直接、水素の良さをご理解いただける取り組みをしていきたいと考えています。

また、ドリコス社のサプリメントサーバーと併設すると、売り上げが約10%上がるというデータもあります。1日ひと口でも試していただけたらと思っています。

古屋:ありがとうございます。