体力測定のDXとして開発された垂直跳び測定器が、リバウンドジャンプ測定器へと進化。

センサーを使用した測定器は、測定の場所を選ばず、機器の装着などのストレスなく、セルフで簡単に測定できることから、日々のコンディショニングチェックや、トレーニング前後のパフォーマンス評価への活用が広がり、新たな可能性を生み出し始めている。

同測定器を開発した株式会社コンセプトアンドデザインの木村真人氏と鎗田篤氏に話を訊いた。

  • 株式会社コンセプトアンドデザイン
    代表取締役
    廣瀬達也氏

リバウンドジャンプテストがセルフでどこでも実施可能に

リバウンドジャンプは、アスリートの瞬発力やパワー発揮能力との相関が見られることから、その測定値は、練習負荷や体調の管理、オーバートレーニング予防などに広く活用されている。

このリバウンドジャンプテストを、セルフで簡単にどこでも測定&記録することを可能にする、リバウンドジャンプ測定器が開発された。

リバウンドジャンプテストとは、5回程度の連続ジャンプを行い、接地時間と滞空時間の比率から、短時間で発揮されるパワーの指標となる「ばね係数」を算出するもの。短い接地時間で長い滞空時間を跳べるほど、ばね係数が高い値を示す。

ばね係数は、下肢の筋・腱の伸張―短縮サイクル(SSC)能力を反映し、瞬発力や環境への適応力と相関するというエビデンスも多く、アスリートのパフォーマンス評価や、コンディショニングチェックとして体調管理に活用されている。また、リハビリでは、下肢の障害からの回復度を可視化する指標としても活用されている。

これまでもリバウンドジャンプテストによる評価は、多方面に活用されているが、ばね係数を測定するには、これまで測定用の機器を身体に装着したり、センサー付のマット上でジャンプするなどの方法で行われており、測定できる場所が限られていたり、測定機器の着脱などに煩わしさがあった。そうした課題を一気に解決し、リバウンドジャンプのコンディショニングへの活用可能性を高める測定器が、コンセプトアンドデザインにより開発された。

非接触型の測定器がもたらすパフォーマンス向上の可能性

撮影協力:学校法人創志学園 環太平洋大学

コンセプトアンドデザイン社は、システム開発業として40年以上の歴史がある企業。長い歴史のなかで、自社製品を生み出したいという創業者の想いから、まず生み出されたのが、垂直跳び測定器。2017年に日本大学との産学連携による共同研究パートナーとしての縁を得て、2020年に販売を開始した。その経験を応用して開発されたのが、反復横跳び測定器である。

どちらも、コーン状の測定機器に実装された赤外線センサーが、人を感知し、人がジャンプすることで赤外線の反射がない時間を滞空時間として測定。垂直跳び測定器では、滞空時間で跳躍高を算出。反復横跳び測定器では、その回数を正確に測定し、リアルタイムで結果が出力される。セルフで測定が可能なため、スポーツイベントのレクリエーションなどにも活用されたり、子どもたちが遊び感覚で運動能力を伸ばすことにも活用できる。

リバウンドジャンプ測定器は、これまで開発した測定器を試用したトレーナーの意見や、コンセプトアンドデザイン社の測定器に興味を持った筑波大学西嶋名誉教授との共同研究により開発された。発光部と受光部となる2つの棒状の機器の間でジャンプすることで、接地時間と滞空時間が1,000分の1秒単位で測定され、滞空時間から推定した跳躍高と、ばね係数(滞空時間÷ 接地時間)がリアルタイムで表示される。パソコンの専用ソフトに繋げば、リアルタイムで数値がグラフ表示され、視覚的にも測定値が評価できる。

こちらもセルフでの測定が可能で、接地場所も屋内・屋外を問わず、競技場のトラックでも、スパイクを履いたままでも測定が可能で、競技や練習での環境と同じ条件で測定することができる。また、ウォーミングアップでの体調確認や、トレーニングによるパフォーマンス向上のモニタリングがしやすくなることで、さらに安全で効果的なトレーニングが可能になる。

コンセプトアンドデザイン社は、「アスリートやトレーナー、理学療法士やスポーツ医科学の専門家の方にも、赤外線センサー式ジャンプ測定器を試していただき、どんな可能性があるかについてご意見をいただきながら、これまでにない知見を生み出すことに貢献していきたい」(廣瀬達也氏)としている。

株式会社コンセプトアンドデザイン
TEL.03-5687-5601
E-mail. support.vjm@candd.co.jp
https://www.candd.co.jp/product/

SPORTEC2025出展概要

日程/2025年7月30日(水)~8月1日(金)
時間/各日 10:00~17:00
出展ブース/E4-1-6