1999年の誕生以来、世界100カ国以上で導入され、科学的根拠と安全性に裏付けられた信頼のテクノロジーとして、多くの現場で支持を集めている「パワープレート®」。株式会社サンクト・ジャパンは、日本における第一代理店としてのスタートにあたり、今年7月30日(水)、SPORTEC2025内で調印式を行った。今後の日本市場における可能性、パワープレート再始動に懸ける想い、今後の展望を取材した。
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Performance Health System
COO
Steve Borre 氏 -
株式会社サンクト・ジャパン
代表取締役社長
秋田 豊氏 -
株式会社サンクト・ジャパン
取締役副社長
長坂卓朗氏
―日本市場をどう見ていますか?
Steve:リサーチをもとに次の5年を予測すると、フィットネス・メディカルという分野で、日本市場はさらに拡大していくだろうと、とても興奮しています。成長すると感じる理由は、日本が技術という面において、世界を率いている存在と理解しているからです。
―パワープレートは、ユーザーにどんな価値を届けられますか?
Steve:「Prepare(準備)」「Perform(実行)」「Recover(回復)」、いずれの場面においても、全ユーザーに効果をもたらしてくれる。大阪大学をはじめとする様々な日本国内の研究機関はリサーチ・研究を重ね、パワープレートによる全身振動刺激を用いたトレーニングが筋肉の強さや柔軟性を上げ、骨の再生にも寄与する可能性を証明しています。
パワープレートを使用したトレーニングは、不安定な状態に対して筋肉の適応性を高めてくれるので、スタビリティに強いマシンと言えます。また、強度を上げたハイインパクトのエクササイズではなく、ローインパクトになるので、エイジングケアを軸としたグループにとって、ベネフィットをもたらしてくれます。
―パワープレートとの出会いは?
長坂:2005年の話になりますが、化粧品のプロダクト責任者を務めていた前職時代、当時の代表からパワープレートを取り扱いたいとオファーがありました。その後すぐにフランスへ視察に行くと、ファッションブランドが代理店となり、ファッションショーのオブジェにパワープレートを飾っていました。続けてロンドンへ行くと、高級デパートの最上階にパワープレート専用ルームがあり、賑わいを見せていましたが、その2つの出会いに強い衝撃を受けました。
ラスベガスで行われたIHRSA(現HFA)のショーでパワープレートの理論を学び、セールスとしての力量を未開の日本で試してみたい、自身で日本にローンチさせたいと思ったのが出会いのきっかけになります。
秋田:Jリーグのチームでコーチを務めていた2007年、良い機器があるという長坂からの勧めで、初めて知りました。パワープレートを体験してすぐに効果を感じたので、当時の監督に直談判して、チームに導入してもらったのが、始まりになります。

―ずばり、パワープレートの魅力は?
秋田:パフォーマンスやコンディションの維持・向上のために、どのターゲットに対してもアプローチできる点が一番の魅力です。アスリートや一般の方でいうと、ジャンプ系やサーキットトレーニング、スクワットやステップ系などに活用することができ、全身に運動効果をもたらしてくれます。また、疲労を和らげることもできます。
高齢者においては、骨粗鬆症に対しての予防や改善が見込める点が素晴らしいと思っています。「運動促進改革」を企業理念としている我々は、“動くということの重要性”を追求して、ユーザーに伝えていきたいと考えています。そこには、“質の高い本物”がプロダクトとして必要不可欠になってきます。
―再始動を目指してから調印にいたるまで、その背景や想いをお聞かせください。
長坂:今年の3月、前代理店がパワープレートから撤退することを聞きました。出会ったときに確信していた通り、絶対に日本の国民のために役立つプロダクトであること、パワープレートをこのまま終わらせてはいけないと強く思い、私1人、迷うことなくドイツで開催されたFIBOに向かいました。
そこで、当社に代理店を任せて欲しいとSteveにリクエストを出しました。
秋田:日本での立ち上げから長く携わってきた長坂が「パワープレートの代理店をやりたい」と言ってきてくれたので、長坂が絶対にやるべきだと思い、私も同意しました。
長坂:他の企業も手を挙げていたと思いますが、前代理店から3人のスタッフが私の想いに賛同して加わってくれたこと、それが我々の1番の強みであり、その後の躍動につながったと感じています。3人がいなければスタートできなかったし、私1人では無理な話だったと思います。
―サンクト・ジャパンを選定した理由、期待していることを教えてください。
Steve:3つの大きなポイントがありました。1つ目は、組織のメンバーです。長坂さんとは、2007年からの付き合いで、日本市場での成長は長坂さんのおかげです。経験値・理解度という意味で、長坂さんにはとてもポテンシャルを感じていますし、長坂さん率いるチームは他に類を見ない。また、フィットネスだけじゃなくてメディカルにも長けた実績がある。長坂さんが大阪大学をはじめとする様々な国内の研究機関をつなげてれくれたお陰で、日本市場だけでなく、グローバルの発展にも手助けしてもらいたいと考えています。
加えて、シニアマネジメントの存在です。経営に携わるメンバーが日本人であること、日本人の気持ちを理解し日本の市場を理解していることも大きな評価軸でした。
2つ目は、どんなプロダクトを扱う会社であるか。製品の特徴、ターゲット、フィットネス・メディカルのビジネスにおける理解度を重視しました。ビジネスでの成長を考えたところ、サンクトバンドとパワープレートのシナジーを強く感じましたし、双方を活用してさらなるトレーニング効果が見込めると思っています。
最後に、フォーカスの部分です。SPORTECでも表れていましたが、サンクトバンドがパワープレーのブランドを再定義して、どのように市場に出していくのがベストかという部分が、私の考えとマッチしていた点です。このブランドの捉え方や、何を見てどこに重きを置いてビジネスをしていくかというポイントも、選定の中では重要な要素でした。

―パワープレートの再始動後、どのような体制を整えていきたいですか?
長坂:正直なところ、最初の2~3ヶ月間は準備段階となり、満足いただけるサービスがお届けできないかと思っています。ただ、その後に関しては確実に、販売・サービスメンテナンスの面で、従来以上のサービスを提供できるよう体制を整えていきます。それはお約束いたします。
―日本市場へ今後どのような貢献をしていきたいとお考えですか?
Steve:繰り返しになりますが、パワープレートがもたらす大きなメリットは、あらゆるユーザーとって、絶対に必要不可欠であり、大事なサポートになります。私はすでに高齢ですが、ローインパクトなエクササイズでも、その大事な要素を提供することは、パワープレートだからこそできるのです。引き続き日本のマーケットに、そのベネフィットを届けていきたい思いです。長寿化している日本において、とても必要な要素になるので、継続して貢献していきたいと思っています。
私はサイエンスをベースにしたリサーチを、誇りにしています。科学的な根拠を、パワープレートが軸となり作り出すことに関して、日本は先進国といえます。これからも教育機関と手を組み、サンクトバンドとパワープレートが協創しながらエビデンスを積み上げ、フィットネス・メディカルの業界における効果的なプロダクトであるという情報の発信に期待しています。
また、パワープレートによるトレーニングが、フィットネスクラブの主要アイテムとして認識されることを楽しみにしています。

―フィットネス・メディカル事業者へ、メッセージをお願いします。
秋田:パワープレートが加わり、当社が老若男女問わず皆さんの健康サポートにアプローチできると思っています。パワープレートが日常生活の必需品になる、そして80歳になっても走れる身体作りのサポートができる会社を目指し、頑張っていきます。
長坂:既にパワープレートをご利用のお客さまには、全身振動刺激の良さをご理解いただけていると思います。
これまでは、整形の領域におけるリサーチからエビデンスを発信してきましたが、今後、内科領域の療法においてもパワープレートの必要性を高めていけるだろうと大阪大学の中田教授と話しています。 特に、心臓疾患を抱える方向けの運動療法においても、お役に立てればと考えています。身体にどれだけ良い効果をもたらすかといった点を、今後も研究を重ねながら皆さまに伝えていきたいと思っています。
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