ノルウェーの研究チームによる実験の結果、たとえジムで激しいトレーニングを行ったとしても新型コロナウイルス感染拡大の恐れはないことが分かった。ミヒャエル・ブレットバウア教授率いるオスロ大学の研究チームは、ウイルス感染や新型コロナウイルス感染症の増加がジムに起因しているものかどうかの調査を行った。

◯研究概要

全対象者3,764人のうち、約半数(1,896人)の人がジムを利用、残りの半数(1,868人)は利用しなかった。前者はそれぞれ下記5つのジムを利用した。

SATS Sjølyst、CC Vest、STOLT Stovner、Rommen、EVO Bryn

調査期間中、ノルウェーはまだロックダウンが解除されていなかったが、今回の調査のために特別にジムを開いた。利用できるアクティビティには、ジムフロアでのトレーニングやグループレッスンなど、普段提供しているすべてのサービスが含まれていた。

しかし、何の制限もなくジムを利用できるわけではなく、ジムに訪れる対象者はノルウェー公衆衛生研究所が作成したウイルス予防ガイドラインを守る必要があった。ガイドラインには、ソーシャディスタンス(床での運動は1メートル、高強度のクラスは2メートル)、手や施設の目に見える部分の衛生管理の強化などが含まれており、いずれも極端な制限でなかった。
また、すべてのマシンやマット・スタジオなど、トレーニングスペースの周辺には消毒剤が用意されており、ユーザーが利用するたびに清掃できるようになっていた。
これは、実際に日本の多くのフィットネスクラブでもすでに徹底されていることだ。

さらに、ジムのスタッフが、対象者のジムへのアクセスの管理やユーザー間の適切な距離の測定を行うことで、密集を避けることができていた。

研究チームは、2週間後に鼻腔、口咽頭、喀痰の自己採取を行い、3週間後に電子カルテへのリンクによる臨床疾患の有無を各人に検査した。検査を行った3,016 人のうち、1人の陽性者がいた。陽性者は「ジムグループ」に属していたが、陽性検査前にジムを訪れておらず、経路を追跡した結果、実際に職場で感染していたことが判明した。

3週間の調査期間中、どちらのグループでも新型コロナウイルス感染症による外来受診や入院はなく、また、調査期間中にジムで働き、かつデータ提供に同意した91人の従業員のうち、83人(91.2