指定管理者制度・PFI応援事業における企画書・事業計画書の作成などを支援する山﨑隆司氏の新連載。 公共施設運営などへの参入を検討している企業向けに事例をお届けする。第2回目は、指定管理者制度では日本初とされるSPCを設立して運営する「SAGAサンライズパーク」について紹介する。

国民スポーツ大会のために整備された施設

SAGAサンライズパークは、佐賀県にある県営施設です。佐賀駅北口から徒歩15分のところにあり、2024年に国民スポーツ大会(旧:国民体育大会)が行われる予定で、大会の名称変更後初の開催地です。国民スポーツ大会では、開催ごとに各県が施設を整備しており、SAGAサンライズパークは、全種目が行えるよう約500億円が投じられました。九州地方では福岡PayPayドームに次ぐ規模で、8,400人収容できるアリーナを含み、バスケットボールチームSAGAバルーナーズや、バレーボールチーム久光スプリングスの使用場所として活用が見込まれています。

SPC を設立して選定へ

選定にあたり、佐賀県から提示された条件は以下の通りです。
・契約期間は’20年10月から10.5年
・金額は約50億円(毎年5億円)
・運営状況が安定していれば、契約期間を5年間延長のオプション付帯
・代表企業はエンタテインメントを誘致できることが望ましい
・主に佐賀駅北口が活性化するよう、エリアマネジメントを行える企業が望ましい

通常よりも契約期間が長いことと、地域への理解が求められる点から、 SPC(Special Purpose Company:特別目的会社)の設立を目指し、「SAGA サンシャインフォレストグループ(以下、サンシャイン)」と名付けました。SPCとは、施設運営に特化するために複数の企業が集まった会社のことで、クラブサクセスジャパン(以下、CSJ)としても、指定管理者制度の選定としても、SPCの設立はおそらく日本初といえます。

SPCの構成は代表企業と構成企業を組成する必要があり、応募のメンバー組成は2年前から着手しました。

サンシャインの