小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、経営が順調な施設の成功要因は何だろうか。本連載で、マーケティングや経営・運営の手法に迫る。第50回目は千葉県と神奈川県にあるBLUE FITNESS 24。24時間ジムとパーソナルジムのいい部分を取り入れ、若年層を中心に支持を得て成長している。

コンセプト:若年層を満足させるハイブリッド型の 24 時間ジム

株式会社フィットベイト(以下、フィットベイト)は女性専用暗闇バイクフィットネス「OLUTANA」から事業をスタートしている。千葉県を中心に店舗を展開してきたなかで、 OLUTANAブランドが男性にも浸透してきた。そうした背景から、男性も通えるタイプのジムを求める声が増加したことが、出店の経緯である。

「OLUTANAもターゲット層を絞り込んだコンセプトジムとして展開してきました。我々は男性も通えるかつ伸びている業態の24時間ジムに参入するにあたり、こちらも明確なコンセプトを打ち出さなければならないだろうと思っていました」と松田氏は話す。

すでに多くの24時間ジムが出店を加速させ、商圏を奪い合う状態が続いている。まさに群雄割拠である。その領域に後から参入することになったためであろう。

そうした状況下で、どこで独自のポジショニングを築いていくのかが成功の鍵となった。熟考の末、24時間ジムにパーソナルトレーニングをかけ合わせたハイブリッドジムを、若年層に向けて展開するという方向性が定まった。

マーケティング:ターゲット顧客を明確にしたドミナント戦略

若年層にターゲットを絞り込んでいるということがわかりやすくなるように戦略が作り込まれている。まず、ジムの名前をBLUE FITNESSとしたのは、若年層にも見た目から訴求できるジムの内装を追求した結果、青いネオンライトが光り、壁にはレンガ模様が一面に張り巡らされたつくりになったことが背景にある。

「そのような内装にすることで、普通のジムでは味わうことのできない非日常的な空間を演出しています。私たちはそこで明白な差別化戦略を打ち出しているのです」と松田氏は胸を張る。

総合型のフィットネスクラブとターゲットが被らないエッジの効いたコンセプトに加えて、すでに育ててきた OLUTANAブランドを駆使し、千葉県のマーケットを抑える戦略だ。いわゆる「ドミナント戦略」である。 OLUTANA