会社にコントロールされない働き方ができる技術や能力をもった人物の育成に力を入れる遠藤一佳氏。その1つの方法として、トレーナーが自身のジムをもつことを挙げる。新型コロナウイルス禍(以下、新コ禍)のなか、よりその重要性が増したことなど、実際に自身がオープンさせた施設の状況と合わせて紹介する。

今こそ「スモールジム」が求められている

こんにちは。遠藤です。本連載のメインテーマは「トレーナー、インストラクターが自分の小さなジムをもつこと」です。とはいえ、現在の新コ禍によって「出店意欲」は低下していると思います。

しかし、本当にそのマインドでよいのでしょうか。

新コ禍前後を比較すれば、人々の健康へのニーズはむしろ高まっています。今まで以上に「ウイルスに負けない強い身体が必要だ」と思っている人が多くいますが、行く場所がないのです。通常、ウイルスというのは人間の体内に宿るものですが、政府や行政、そしてマスコミは新型コロナウイルスを人々の脳や心に付着させてしまいました。ゆえに人々は感情や思い込みで行動を選択するようになっており、もはや医科学の世界ではありません。

そのため、現在の状況は長引くでしょう。私たちは「対応しなければ生き残っていけない状況」に立たされているのです。

必要なのはソーシャルディスタンスに対応した新業態です。それが正しいかどうかは別として、人々は「密閉・密集・密接」を避けるような心理状態になっています。基本的な方針は少人数で人口密度が低いこと、そして一緒にいる人を知っていることです。私た
ちは新コ禍前から「25坪タイプ」のスモールジムを構想していましたが、現在は10坪、15坪とさらに小型化させています。

そこで3名程度のグループレッスン(セミパーソナルレッスン)を提供するのです。このようなサービスが求められていると思います。

また、別の観点でいえばトレーナー、インストラクターは今回の件で「雇われていることの弱さ」を感じたことと思います。当業界でも会社と被雇用者の間で報酬に関するトラブルが起きたようですが、基本的に「誰かに雇われているから誰かに解雇される」のです。

自分が自分と契約すれば解雇されることはなく、「自分の小さなジムをもつこと」はそれを自衛する優れたツールだと思います。

当業界のオンライン化がうまくいかない3つの理由

今回は「収益モデル」について記しますが、もう少し上