Les Millsが、Z世代を対象としたレポートを発表
Les Millsは、「Z世代はヘルスクラブ運営者にとって未開拓の巨大市場である」と、同社のレポート『GEN ZFITNESS:CRACKING THE CODE(Z世代のフィットネス、暗号を読み解く)』によって、発表した。世界では、全世代で最も人口ボリュームが多いとされているZ世代。今後の消費を担う重要なこの世代は、フィットネスに対し、どのように捉え、何を考えているのか?
Z世代を理解するためのヒントが得られるレポートとなっている。
フィットネス業界にとって
Z世代は未開拓の市場である
Z世代のフィットネスに関する思考や消費行動における傾向など、有益な情報が全50ページにまとめられている。本レポートは、北米、ヨーロッパ、アジアの16〜26歳の若者4,000人以上から得られた定量的・定性的な知見を集結している。
Z世代を理解するうえで、本レポートは、「しばしば、スマホ中毒のソーシャルメディア中毒者と風刺されるが、Z世代を過小評価することはできない」という一文から始まる。
Z世代は、他のどの世代よりも多様性に富み、社会意識が高く、デジタルに精通し、健康に重点を置いているという。さらに、フィットネスに対する考え方もより賢明であるとし、全世界でZ世代の30%がすでにフィットネス施設を定期的に利用していると報告されている。
しかし、「これは氷山の一角にすぎない」と本レポートは指摘する。さらに50%のZ世代が、定期的な運動の機会を望んでいるものの、適切な機会に恵まれていない状態にあるという。
つまり、この世代の特徴や課題について理解し、彼らが求める微妙なニーズに寄り添い、応えることで、この未開拓な大きな市場を獲得するチャンスがあるのだ。
フレキシブルなフィットネスが
Z世代の獲得にはマスト
Z世代は、両親がヨーヨーダイエットをしたり、流行を追いかけたり、短命のフィットネス習慣を転々とするのを見て育った。しかし、Z世代にとって、健康とフィットネスはより総合的な体験を得られるものとなっている。精神的な健康や内発的なモチベーション、コミュニティの一員になるチャンスを求めてトレーニングに励む世代なのだ。
この世代におけるフィットネスの捉え方は、他の世代に比べ、より柔軟なものである。50%の運動習慣を望む層のうちの68%は「自宅でのトレーニングの開始」を望んでいる。この莫大な市場機会を取り込むためには、質の高いデジタルオプションを提供する能力は不可欠である。
3割の定期的に運動している人の72%は、ジムでもジム外でもトレーニングしている。フィットネスクラブに会員として通うZ世代の61%は、その施設に6ヶ月から2年在籍している。これは、適切なサービスを保てば、フィットネスクラブに留まり続けることを意味している。さらにそのうちの51%は、ジムでのワークアウトをガイドするために有料のフィットネス・アプリをすでに使用しており、さらに32%が使用を検討している。
Z世代は、彼らの親となる世代よりも、フィットネスにお金をかける傾向が77%高いのだ。ジム以外で運動している人においても、44%が有料アプリを使用しており、加えて37%が使用を検討している。
また、彼らは、グループエクササイズに関しても柔軟性を求めている。クラブに通うZ世代の81%は、グループエクササイズを行っている。そのうちの68%はクラブ内で行われており、グループエクササイズのエネルギーと音楽を重要な動機付けとして挙げている。残りの32%はクラブの外で行われている。
フィットネス業界の運命を握る世代
LesMillsグループCEOのクライブ・オーメロッド氏は、Z世代は世界のフィットネス業界の運命を変える可能性があると示している。
「パンデミックによって、クラブが会員を動かし続けるために、テクノロジーの活用が必要と定義されました。クラブの成長の次の段階は、運営者がZ世代にアピールする能力によってもたらされることは間違いないでしょう」
同氏は、「Z世代はフィットネス市場において、これまでのどの世代よりも大きな影響を与えることになるでしょう」と述べ、フィットネスビジネスとして、この世代の獲得の重要性を説いている。
日本では、海外の諸国と比べ、この世代をクラブで見かける機会はまだ少ない。しかし、この層を対象顧客として捉え、参加を促すことは重要である。Z世代の「良い体験(先行事例)」を言語化し、さらなる参加者を増やしつつ、オペレーションを適正化していくとよいだろう。