技能や能力を磨き、自立した人材の育成に力を入れる遠藤一佳氏の連載。2023年は、同氏が注目する人物にインタビューする対談形式でお届けする。第16回は、株式会社一期一会 代表取締役 大庭亮太氏。一歩踏み出すことで人生が変わるということの実体験を語る。(以下、敬称略)

 

長年、運動指導の場にいたのに
何もしてあげることができなかった

遠藤:今回は2022年8月22日に神奈川県横浜市南区井土ヶ谷中町に「スモールジムSmile Fitness」をオープンした、株式会社一期一会代表取締役の大庭亮太さんにお話を伺います。まずは、社名とジム名に込めた思いをお聞かせください。

大庭:社名の一期一会は限りある人生の中での出会いを大切にしたい、貴重な時間を割いてジムに来ていただくことへの感謝を忘れないために。ジム名のSmileは「笑う門には福来る」という言葉があるように、笑顔でいれば良いことがある。そして、笑顔でいることの大切さや、苦しいときにも笑顔になれるように寄り添いたいと思い命名しました。

遠藤:優しい大庭さんらしい素敵な理由ですね。では、最初に独立起業に至るまでのキャリアを簡単に教えてください。

大庭:スポーツクラブやスポーツセンター、介護施設等で約20年運動指導やスタジオレッスンを担当し、前職では24時間ジムの施設管理を行っていました。お客さまを大切にしたいという思いは持っていましたが、実際にやっていたことは施設の管理人だったと思います。

遠藤:そこからどのような思いで独立起業に至るのですか。

大庭:家族の体調不良が大きなきっかけです。数年前から父親が身体の痛みを強く訴えるようになりました。しかし、私は何もしてあげることができませんでした。長年、運動指導の場にいたのに、父親の痛み、悩みに対応することができなかったのです。これは友人、知人に対しても同じです。そんな問題意識から、もっと専門能力を上げる必要があると思うようになりました。

遠藤:それだけでは独立起業ということにはならないと