防犯カメラを活用したAI事業を運営する株式会社Opt Fit(愛知県名古屋市、代表取締役:渡邉昂希)は、成長段階の第2段階のフェーズ=シリーズBラウンドで総額7.8億円の資金調達を実施した。調達の目的は、既存事業のエクステンション及び、無人化・省人化を目指す施設運営事業者とのアライアンスの実行や、これらを推進する社員の採用活動等に充て、スピーディーな事業成長を実現させていくとしている。本件の投資に、中心的な役割を担うのがファーストライト・キャピタル株式会社だ。Opt Fitの投資実行を担当した阿部大和氏に、同社の投資目線、Opt Fitへの投資について取材した。

安全管理と運営効率化の両立は「人口減少」下のイノベーション

まずは資金調達を実現したOpt Fitの事業と、その概要についてみておきたい。

Opt Fitは2020年の創業以来、「AIと人間が共存する社会を創造し、少子高齢化社会のビジネスインパクトを最大化する」をミッションに掲げ、防犯カメラ画像解析を主軸に事業を展開している。ジム専用防犯カメラ「GYMDX」は、大手フィットネスクラブを中心に導入が進み、併せて活用できる利用率分析・混雑状況配信・不正入館検知機能などにより、安全管理と運営効率化の両立を実現している。

導入施設は、2023年末に実施したシリーズAラウンドでの資金調達時と比べて約2倍の2,000施設以上、継続利用率は99.9%を超えている(図表1、2)。

Opt Fitは次の成長ドライバーは介護領域としている。介護業界では、深刻な人材不足と、それに伴う労働負荷、待遇や労働条件の悪化など様々な課題を抱えている。この課題に対して2025年1月より、プライバシー配慮の見守りAIカメラ「KaigoDX」の試行導入を開始し、11月より本格的にAI機能もソフトリリースした。すでに複数の施設で導入が開始されている。介護現場の人手不足解消及び、施設利用者とその家族が安心できる環境づくりに貢献していく。

これら2つの業界への技術提供を、よりスピーディーに行うための事業成長のための資金需要として、このたびの調達となった。

OptFitの事業は、この度のリード投資家となったファーストライト・キャピタル株式会社の投資方針に合致していたわけだが、ファーストライト・キャピタルをまずは紹介しておきたい。同社