「目指すのは、hacomonoに蓄積される会員・利用データを、現場の改善と経営の意思決定につなげること。単なる業務効率化にとどまらず、“クラブ経営をデータで底上げする”世界を実装したい」。そう語るのは株式会社hacomono代表取締役CEOの蓮田健一氏。その言葉を実現すべく、予約・決済にとどまらず、現場運営、接客支援、顧客接点までプロダクト領域を拡張し続けている。本記事では、2026年7月に開催される日本最大の国際スポーツ・健康産業展「SPORTEC」で示す注目機能を一足早く紹介したい。

  • 株式会社hacomono
    BizOps 本部 事業企画部
    マネージャー 矢部 勇二朗氏
  • 株式会社hacomono
    BizDev 部 重点戦略グループ
    リーダー 山田祐輝氏
  • 株式会社hacomono 
    VP of Marketing
    上村篤嗣氏

映像を“経営データ”に変える「AIカメラ」

AIカメラは2025年にリリース後、継続的に機能を進化させている。

現在、同社が開発中の機能は、大きく2つある。事故や怪我などにつながるリスクのある「危険行動」と、共連れ(会員以外の同伴入館)やマシンを長時間占有するなどといった「迷惑行動」の検知だ。

前者では、異常行動やその深刻度合いをAIが判断・検知し、警備会社および施設の担当者へ連絡する。後者においては、迷惑行為と思われる行動を検知した場合、AIが対象時間帯の映像を自動でピックアップ。これまでスタッフが1時間かかっていた映像確認を5 分程度に短縮することで、該当者へ注意を促すなど問題に迅速に対応できる環境を整える。

AI検知状況をレポートで可視化

24時間営業の無人ジムや、無人営業時間を設けている総合クラブのジムエリアなどにおける安全性向上と、快適な環境づくりをサポートする。

もちろん、今ある機能だけでも防犯カメラの範囲を十分に超える。

360度カメラにより、一般的な防犯カメラが3台必要なところを1台でカバーできるほか、通常の防犯カメラが“もしも”の時に備えて撮影・映像データを蓄積するだけのところ、hacomonoのAIカメラであれば映像データをAIにより「経営に活きるデータ」へと昇華させる。

360 度カメラで広範囲を撮影

具体的には、施設内の混雑状況やマシンの稼働状況をAIが分析・自動で可視化してくれるうえ、マシンについては人数・時間で利用状況を示すことで、マシンの投資対効果を測ることもできるという。

導入店舗のなかには、稼働状況のデータをもとに施設レイアウトを最適化したり、新店オープンの際にマシンの台数を調整したりすることで、より費用対効果の高い運営に成功している。

「AIカメラを通して、安全管理だけでなく、マシンや人員配置の最適化にもつなげられます。共連れについてはhacomonoの入退館データと照合することで、より具体的な注意喚起やフォローにつなげることも可能です。

今後はさらに、接客時間の分析など人材育成をサポートできる機能開発も進めています」(BizOps本部 事業企画部 マネージャー 矢部 勇二朗氏)

パーソナライズされた接客を支援する「hacomono AI Manager」

今夏にリリース予定のAI Managerは、会員一人ひとりの事前期待に合わせた接客を可能にする、接客支援プロダクトだ。

これまで主にスタッフ個々の経験やスキルに委ねられていた会員情報に基づく声かけや対応を、どのスタッフでも可能にすることで、接客が必要な会員へ適切にアプローチし、体験価値を高めることが狙いだ。

AI Managerは、その場にいる会員に関する情報をもとに、「どの方に、どのような声かけをすべきか」を、スタッフが持つタブレット端末を通して教えてくれる。

さらに、単に指示されたことに対応するだけでなく、スタッフ自身が楽しみながら“接客したくなる”ゲーミフィケーション要素をUI/UXに盛り込むよう設計されている。

「このプロダクトで実現したいことは、hacomonoによる業務効率化で生まれた時間を使い、人だからこその温かい接客に集中できる環境をつくること。そのためには、売り上げや継続率といった数値には表れにくい日々の接客が評価される仕組みも重要です」と山田氏。

同氏は続けて以下のように話す。「現在開発中の機能の1つとして、『入会初期のお客さまへの無料サポートプログラムの案内』や『久しぶりに来店されたお客さまへの声掛け』といった接客アクション量の計測や、接客によって『特定プログラムの受講率』や『来店頻度』といったお客さまの行動がどう変化したのか、その因果関係の分析もできるようにする予定です。将来的には、そのデータを店舗やスタッフの評価に活かしてもらうことも想定しています」(BizDev部 重点戦略グループ リーダー 山田祐輝氏)

評価基準が漠然としがちな接客対応がデータ化されることによって課題や評価ポイントが明確になり、より納得感の高い評価が実現できるようになるだろう。

正当な評価によってスタッフの自発性が引き出されることになれば、人だからこその温かい接客が施設に広がり、会員の体験価値もさらに高まっていくはずだ。

経営状況を可視化する「hacomono insight」

hacomono insightは、店舗データを自動で集計・可視化し、経営に活かせるデータ分析機能だ。

売り上げや会員数、継続率といった主要指標をダッシュボードやグラフで直感的に把握することができるため、専門的な知識や複雑な操作なしに、データに基づいた迅速な意思決定を可能にする。

店舗データを自動で集計・可視化し、経営に活かせるデータ分析機能「hacomono insight」

「メンバータイプ自動付与機能」と併せて活用することで、「〇ヶ月、来館がない」「次回の予約がない」など、あらかじめ設定した条件に当てはまる会員を日時で自動検出し、フォローの優先順位付けまでを効率化できる。さらに、hacomonoの管理画面からメールやLINE、ショートメール(SMS)配信など複数の手段で、そのまま会員へのアプローチにつなげられるため、退会防止や継続率向上に向けたアクションを迅速かつスムーズに実行することができる。

2026 年3月より、LINE 配信機能もリリース

この機能を開発した目的について、株式会社hacomono VP of Marketing上村篤嗣氏は次のように述べる。

「お客さまの状況によって適切なメッセージをタイムリーに届けることで、会員さまが施設外にいても、また無人ジムにおいても『自分のことを考えてくれている』と感じる体験を実現したいと考えました。最終的には顧客接点の強化により、LTV向上につなげたいです」

ある店舗では、豊富な会員プランを用意しながら、全会員に対して同じ情報を送ることしかできなかった。

しかし、hacomono insightを導入し、プランに合わせてアプローチ方法を変えてみたところ「退会率が大きく改善した」と、嬉しい声が寄せられているという。

顧客接点の強化により、LTV の向上や退会率の改善が期待できる

1,600店舗以上がデータ経営に着手し始める

小規模事業者にとっても、感覚ではなくデータに基づく運営は今後の生き残りに不可欠となっており、hacomono insightについては、すでに1,600以上もの店舗が利用しているという。

クラブ運営の“次の標準”を見据え、データとAIの力で、現場の改善からLTV向上までを一気通貫で支援するhacomono。

AIカメラによる現場の状況把握やオペレーション改善、hacomono insightによる顧客・経営データの可視化、さらにAI Managerによる会員との接点強化――それらを一気通貫で実現する世界を同社は目指し、前進し続けている。

話題店の裏側にhacomonoがいる。そんな未来像を、今年のSPORTECで来場者は体感することができるかもしれない。

株式会社hacomonoはSPORTEC2026 にて、データAI 活用のデモを実施します。