進化を続けるSPORTEC2026には、フィットネス業界の次代を左右する機器・テクノロジー・経営支援サービスが世界中から集結する。最新トレンドを“見る”だけでなく、“体感し、自社導入まで具体化できる場”として、今年も大きな注目を集めそうだ。

  • 株式会社ワールドプラス
    代表取締役社長 平 剛氏(左)
    取締役 CFO 横山欣二氏(右)

フィットネスクラブにおいて「会費の未払い」は、見過ごされがちな経営課題でありながら、キャッシュフローや現場負担に直結する重要なテーマだ。全国で160店舗以上のマシン特化型ジムを展開する株式会社ワールドプラス(以下、同社)は、この喫緊の課題に対し、法務大臣認証※1オンライン調停サービス「OneNegotiation(ワンネゴ)」を導入。導入直後から顕著な反応を得ており、従来の手法では得られなかった成果の兆しが見え始めている。その背景と活用実態、今後の可能性を探る。

急成長の裏で顕在化した未収課題

株式会社ワールドプラスは2017年の創業以来、24時間・年中無休のマシン特化型ジム「ワールドプラスジム」を軸に急速な成長を遂げ、現在は直営・FCで約160店舗を展開する。整骨院事業をルーツに持ち「人々の健康への貢献」を起点とした同社は、あえて出店効率の低いエリアにも進出し、地域密着型の運営を強みとしてきた。

近年はファンド傘下での体制に移行し、改めて原点回帰と事業の再整理を進める中、さらなる成長に向けた経営基盤の強化が求められている。その1つとして浮上したのが、会費未収という構造的課題であった。同社取締役CFOを務める横山欣二氏は「着任時、他業界と比較して未収率の高さに驚いた」と語る。従来は社内や外部専門家を活用し対応してきたが、回収業務には時間と労力、そして精神的負担が伴い、抜本的な解決には至っていなかった。

対立から合意へ転換する対話モデル

こうした中で出会ったのが、株式会社AtoJが提供する「ワンネゴ」である。ワンネゴは、弁護士が創業し、法務大臣が認証するオンライン調停サービスで、未払い会費問題を「話し合いによる合意形成」で解決する点が特徴だ。

従来の電話や督促とは異なり、事業者と会員の間で中立的に交渉をサポート、また、月末払い、分割払いなど会員が「これなら払える」と思える条件を複数提示することで、支払い行動を促進する。これにより、従業員の工数削減とストレス軽減を実現しつつ、直近の解決率は50%以上を誇る。またワンネゴは、オンライン紛争解決の取り扱い実績2024年度から2年連続業界No.1※2、解決件数18,000件以上、申立て件数30,000件以上といった確かな実績を残している。

同社では2026年3月に導入したばかりだが、初回申立て直後から「1時間以内で複数件の合意成立が連続し、とても驚きました」(横山氏)。

従来手法では得られなかったスピードと反応の違いを実感している。現在は本社主導で直営全店舗分を一元管理し、回収業務の標準化とテスト実施を進めている段階だ。

関係性を損なわない回収が生む価値

導入効果はまだ検証途上にあるが、その本質的価値を同社代表取締役社長の平 剛氏は「事業者と未払い会員という関係性を前面に出さず、フラットに整理できる点が大きい」と評価する。

直接的な督促を行わずに済むことで、会員との関係性を損なわず、従業員も精神的負担から解放される。結果として生まれる時間と余力は、本来注力すべきサービス品質向上や顧客満足度の強化に再投資できる。

今後はワンネゴの通知到達率のさらなる向上などに期待を寄せつつ、「ワールドプラスジムの300店舗体制を視野に、成長を加速させていく方針です」と平氏は力強く語る。

「地域に根差し、日本らしいフィットネスの在り方を追求したい」というワールドプラスのビジョン実現に向け、ワンネゴは財務的支援と現場力向上を両立する新たな経営インフラとして機能し始めている。未払い問題を“コスト”ではなく“経営改善の起点”へと転換する取り組みは、多店舗展開する事業者にとって有効な示唆となるだろう。

株式会社AtoJ SPORTEC2026 への出展が決定!
ブース番号:E2-12-10・E1-5-15

※ 1 法務大臣認証番号No.176
※2 出典:法務省 認証紛争解決サービス 統計資料 https://www.adr.go.jp/other/statistics/