店舗数の拡大やブランドの多角化が進むフィットネス業界では、顧客体験を損なうことなく運営品質を維持し続けることが重要な経営課題となっている。

マシンピラティス「pilates K(ピラティスケー)」やホットヨガスタジオ「loIve(ロイブ)」などを展開する株式会社LOIVEは、事業立ち上げ当初から株式会社フィット・コムの多機能会員管理システム「CLUB NET(クラブネット)」を導入し、成長を支える基盤として活用してきた。急速な事業拡大のなかで両社がどのように連携し、顧客体験向上と業務効率化を実現しているのか、その取り組みに迫る。

  • 株式会社LOIVE
    マーケティング本部
    執行役員 ゼネラルマネージャー 根本悠子氏

女性のウェルネスを支える事業ビジョン

株式会社LOIVEは、「人生を、愛そう。」をスローガンに掲げ、マシン専門ピラティススタジオ「pilates K」をはじめ、ホットヨガスタジオ「loIve」などを展開している。単に運動機会を提供するのではなく、女性が自分らしく前向きに生きるための時間や空間を創出することを目指し、事業を拡大してきた。

同社マーケティング本部 執行役員ゼネラルマネージャーを務める根本悠子氏は、「私たちはフィットネスを提供しているのではなく、女性のウェルネスライフを支える体験価値を提供しています」と語る。

そのため同社が重視しているのは、リアル店舗での体験価値の向上である。一方で、顧客との接点はデジタルを重要視している。新規顧客の集客や会員との継続的なコミュニケーションにおいて、利便性の高いデジタル環境の整備は不可欠になっている。

「お客さまに負担を感じさせることなくサービスを利用していただける環境づくりが重要です」と同氏。店舗体験とデジタル体験の両面を高いレベルで整備することが、現在のLOIVEの成長戦略を支える重要な考え方となっているのだ。

「人生を、愛そう。」をスローガンに掲げるLOIVE


事業成長を支え続ける基幹システムの存在

LOIVEが多機能会員管理システム「CLUB NET」を導入したのは2013年。当時は5店舗規模だったが、現在は複数ブランドを含め約250店舗の規模へと成長している。

導入当初を知る株式会社フィット・コムの担当者は、「店舗拡大に合わせて必要となる運営基盤を継続的に支えながら、ブランドごとの要望にも対応してきた」と振り返る。

長年利用を続けている理由について、根本氏は以下のように話す。「事業成長と店舗展開を支える基盤システムとしての実績が大きい」

多店舗展開を進める企業にとって、会員管理や予約管理は事業運営の根幹である。特に複数ブランドを展開する場合、店舗オペレーションの標準化と運営品質の維持が欠かせない。

CLUB NETは、会員管理や予約管理、売上管理・各種分析機能などを備えた多機能会員管理システムであり、店舗運営を支える基盤として活用されている。

LOIVEがさらに評価しているのは、その柔軟性だ。事業環境や顧客ニーズの変化に応じて機能改修やカスタマイズを継続的に相談できる体制があることも、長期利用につながっている。情報漏えいが起きることなく、安定運用を継続してきた信頼性も、長期利用につながる大きな価値と言えよう。急成長企業にとって、安定性と拡張性の両立は欠かせない条件であり、CLUB NETはその役割を果たしてきた。

複数ブランドを含め約250 店舗の規模へと成長


API連携で実現した予約導線の最適化

近年、LOIVEが特に注力しているのが顧客体験向上である。その象徴的な取り組みが、チャットボットとCLUB NETを連携させるAPI(Application Programming Interfaceの略、ソフトウェアやプログラム・Webサービスの間をつなぐインターフェースの意)開発だった。

背景には急速な出店拡大がある。ピラティス事業を中心に年間数十店舗規模の出店が続くなか、集客効率の向上が重要なテーマとなった。

根本氏は、「広告からLPへ流入したお客さまが予約まで進む際、入力項目の多さや手続きの煩雑さが離脱要因になっている可能性があった」と説明。

競争が激化する市場では、興味を持った瞬間にスムーズに予約できる環境が求められる。そこで同社はチャットボットによる予約導線を導入し、入力負荷の軽減と予約完了率向上を目指した。しかし、各店舗の空き状況などの情報はCLUB NET側に存在する。そのため、リアルタイムで必要な情報を取得できるAPI連携が不可欠だった。

開発にあたっては、LOIVE、フィット・コム、チャットボット提供企業の三者が連携。担当者同士が直接議論できる環境を整え、短期間での実装を実現した。

根本氏は評価のポイントを以下のように語る。「顧客体験向上につながる施策はスピードが重要。事業戦略を理解したうえで迅速に対応してもらえたことは大きかった」

マシン専門ピラティススタジオ「pilates K」


顧客ファーストを実現する継続的な改善

両社の協業はAPI連携だけにとどまらない。日々の運営改善から新サービス開発まで、多岐にわたる取り組みが続いている。

マーケティング部門からは予約の導線や会員マイページの改善要望が寄せられる一方、経理・財務・経営企画・事業部などからも様々な相談があるという。

例えば新しい料金プランの設定やブランド横断利用への対応、店舗運営ルールの整備など、多店舗・多ブランド経営では複雑な課題が発生する。その際、フィット・コムはシステム開発会社として要望を受けるだけでなく、関連部署や他ブランドへの影響も踏まえた提案を行う。「マーケティング視点だけでなく、経理や運営など他部署への影響も考慮しながら全体最適を意識して提案している」ことがCLUB NETの強みと言えよう。

「お客さまにとってフェアで利便性の高い仕組みを実現するため、顧客ファーストの視点で伴走してもらっている」と根本氏はCLUB NETを評価する。長年にわたり蓄積された業界知見と運用ノウハウが、単なるシステム提供を超えた価値を生み出している証だ。

顧客ファースト実現のため、CLUB NET との 連携を深めていく


業務効率化の先にある顧客体験向上

LOIVEでは近年、キャッシュレス化やペーパーレス化など、様々な業務改善を推進している。

その目的は単なるコスト削減ではない。スタッフの業務負荷を減らし、本来注力すべき顧客対応やサービス品質向上に時間を使える環境をつくることにある。

根本氏は、「業務が効率化されれば、その分をお客さまへの価値提供に時間を使える。そうした積み重ねが事業成長につながる」と話す。

また、予約や決済、各種手続きの利便性向上は顧客満足度にも直結する。長期利用会員が多いLOIVEにとって、こうした体験改善は継続率やブランドロイヤルティ向上にも寄与している。

今後はAI活用やデータ活用の重要性がさらに高まると同氏は見ている。顧客一人ひとりに最適化された情報提供やサービス提供を実現するためには、システム連携やデータ基盤の強化が欠かせない。

その実現に向けてLOIVEが期待するのがフィット・コムの存在だ。

根本氏は次のように語る。「API連携の拡充やクラウド化、自動化など、業界知見を活かした先進的な提案に期待している。お客さまの価値向上という共通の目的に向かって、今後も一緒に取り組んでいきたい」

急成長を続けるLOIVEの挑戦は、フィットネス事業者にとっても示唆に富む。顧客体験向上と業務効率化を両立するためには、単なるシステム導入ではなく、事業成長を共に支えるパートナー選びが重要であることを示しているといえる。

株式会社LOIVE
https://loive.co.jp/

株式会社フィット・コム
https://www.fitcom-clubnet.com/