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アフターコロナの、大手フィットネスクラブにおける課題と対応

営業再開後のクラブ運営では、新たな課題が出てきている。各エリアでの課題と対応について、ルネサンス、オアシス、メガロス3社に取材にご協力いただき、現状を共有いただいた。本記事では、「スタジオにおける課題」について言及していく。

スタジオにおける課題

マスク着用と、運動強度

現在、すべてのクラブで共通した課題となっているのが、マスクの問題である。FIAガイドラインでは、「スタジオプログラムに於いてもマスク着用を徹底する」とされている。マスクをすることの弊害として、熱中症のリスクが高まることや、呼吸が浅くなることにより胸郭の動きが悪くなり、肩甲骨周りの機能低下から、肩こりをはじめとした全身の機能低下がみられることが、多くの運動指導者から指摘されている。

また、FIAガイドラインにある「着用するマスクなどに合わせた運動強度で実施する」ことに沿って、運動強度や運動時間に制限を加えてのプログラム実施となっている。グループエクササイズは、運動効果を得るために必要な強度や時間のエクササイズが楽しく行えることも価値の一つだが、その価値が提供できない状況にある。

また、ガイドラインには「有酸素運動の実施を前提として開発されたマスクの着用を推奨する」と付記されているが、現状こうしたマスクの入手が困難であることから、参加者は通常のマスクでレッスンに参加しているケースがほとんど。インストラクターも、呼吸が確保できるマスクを試行錯誤しながら選んでいる状況にある。

感染予防と、グループエクササイズの体験価値

マスクを着用していても、「過度な大きさ、頻度の声出し」は禁止。さらに、FIAガイドラインで「対面の状況になることを避ける」とあり、対面指導は行わず、背面指導で行われている。さらにインストラクターの位置も決められ、メンバーに近づかず、もちろん「ハイタッチや握手等のスキンシップ」も禁止されている。

インストラクターにとっては、グループエクササイズの体験価値の源泉である、メンバーとのコミュニケーションや、レッスンでの一体感が提供できないだけでなく、参加者の表情や顔色も確認しずらいため、参加者の体調確認もできず、安全確保に不安を感じている指導者も多い。マスク着用によるリスク対応については、オアシスではレッスン中に休憩をこまめにとり、呼吸を整えてもらうようにしている。

ルネサンスでは、1レッスンを最大30分にするとともに、鼻を覆うことについては状況により呼吸確保を優先させている。

メガロスでは、各スタジオの換気扇に抗ウイルスフィルターを設置することで、キレイな空気が循環することを、公式ページなどでも動画で訴求。空調を十分に稼働させることで、マスク着用でも有酸素系の中等度の強度までのレッスンを提供している。

ソーシャルディスタンス維持のための定員と予約

ソーシャルディスタンスを保つため、スタジオ定員を以前の30~50%に制限し、整理券またはウェブ予約を導入して対応している。ルネサンスでは、スタジオレッスンは1本30分を上限として、参加者同士は2mの間隔でマーキングした定員数で実施。更に、お客様に心理的な安心感も提供できる様に、敢えてスタジオの扉を開けてレッスンを実施している。

定員については整理券で対応しており、整理券を配布する場所でのソーシャルディスタンスが保てるよう、クラブの中でも十分にスペースが確保できる場所で配布している。整理券の場合、レッスンに参加したくてクラブに足を運んでも、定員いっぱいで参加できないメンバーも出てくる。

その状況に対応して、参加希望の多いクラスについては、同じレッスンを2本続けて実施することなども始めている。これは、インストラクターの活動機会を確保する狙いもあり、1クラブ1日辺りのレッスンフィーがなるべく減らないように工夫している(オンラインでのレッスン予約機能については、高齢者のお客さまの利便性を考慮し、現在のところはあえて導入を見送っている)。

オアシスでは、スタジオレッスンは1本45分を上限として、ガイドラインに沿ってカテゴリーを運動強度の低いヨガやマット系のレッスンに絞って再開した。定員も以前の50%に制限しており、2019年4月から導入したオンライン予約システム「オアシスリザーブ」で、定員の管理を行うとともに、参加者はスタジオの参加位置も事前に予約できるようにしている。

ビフォーコロナから、一部人気の高いレッスンのオンライン予約をスタートしていたが、ガイドラインに沿った営業開始に合わせて、全レッスンをオンライン予約制とした。現状の予約ルールは、1人あたり最大4レッスンまで予約が可能で、毎朝7:00に翌週のレッスンの予約ができるようになっている。予約の際には、スタジオにマーキングされている位置も選んで予約するため、もし感染者の利用が判明したときには、接触密度が高かった人の特定もできる。

全クラスを予約制にしたことで、当初はオンライン予約に慣れない人へのサポートが必要だったが、現在は、事前予約できることで、クラスの込み具合が事前に把握できたり、自分の受けたい場所が選べたり、またレッスン前に並ぶ必要もなく「密」を回避できることで、より安心して参加できるとの声も多いという。

メガロスでは、1レッスン45分を上限にして、HIIT系以外は、有酸素系も含め従来とほぼ同様のスケジュールで営業を再開している。現状は、ウェブ予約と整理券対応のクラスが存在するものの、整理券対応クラスでは、配布がスタートするレッスン30分前に“争奪戦”のような状況が生まれてしまうため、8月9日にかけて全レッスンをウェブ予約対応に移行することを予定している。