「大手クラブにおけるアフターコロナのフィットネス① フロントおよび全館に関する課題と対応」をまだ読んでいない方はこちら

アフターコロナの、大手フィットネスクラブにおける課題と対応

営業再開後のクラブ運営では、新たな課題が出てきている。各エリアでの課題と対応について、ルネサンス、オアシス、メガロス3社に取材にご協力いただき、現状を共有いただいた。本記事では、「ジムにおける課題」について言及していく。本記事を閲読後、「大手クラブにおけるアフターコロナのフィットネス③ スタジオにおける課題」も、合わせて参考にしていただきたい。

ジムにおける課題

感染防止とトレーニング指導の両立

ジムエリアでは、トレーニングマシンやフリーウェイト機器、マットや各種トレーニングギアなど、ウイルスの生存期間が長いとされる鉄やプラスチック類の備品が多く、使用前後の消毒の徹底が、FIAガイドラインでも示されている。また接客においても、スタッフもメンバーもマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保ちつつ、会話を控えることがFIAガイドラインに示されている。これにより、カウンセリングやトレーニングのアドバイス、サポートが行いにくい状況になっている。メンバーもマスクをしていることから、表情や体調の変化に気づくことも難しい。さらに、消毒・除菌を徹底すべく、ジムエリアのスタッフの仕事が、マシンや備品の清掃に終始してしまう傾向にあり、これが、さらにメンバーとの接客機会を減らしてしまっている。

このようにジムエリアで提供していた体験価値の提供が難しくなる中、ジムで提供していたトレーニング指導のオンライン化が進められている。

ルネサンスでは、まずお客様に安全・安心にクラブをお使いいただくことが、お客さまの運動継続に最も寄与すると考え、店頭での体温測定やソーシャルディスタンスなどFIAガイドラインを遵守しながらも、独自でも感染拡大予防のための対策を講じている。しかし、それだけでは様々な事情で来館できない方の運動継続が困難になるとも考え、5月より「ルネサンス オンラインLivestream」をスタートさせ、オンラインでもサービスの展開を始めた。

また、展開を進めていくと、参加者の中には家族でレッスンを楽しむ姿もみえてきた。ユーザーの声を、アンケートなどを通じて聞いていくと、会員さまとその家族の健康づくりもサポートしたいという想いも芽生え、オンラインのサービス構築を加速させた。このオンラインサービスは現在レッスン展開のみとなるが、将来的にはカウンセリングをオンライン化することも視野に入れており、オンラインの強みである時間・場所を選ばないといった事とも相性が良いと感じているという。

オアシスでは、「OASIS LINK」や「WEBGYM」を通じたオンラインサポート、パーソナルトレーニングを拡充するとともに、リアルタイムでレッスンをライブ配信する「WEBGYM LIVE」でのトレーナー出演機会も増やしている。自重エクササイズや、肩こり改善エクササイズなど、ジムエリアでメンバーが行っていたトレーニングが自宅でできるようにしている。

一方メガロスでは、メンバーとのコミュニケーションを、クラブ体験価値の中枢に据えていたことから、営業再開から1週間後には、改めて来館者への接客を重視する方針に立ち戻ったという。マスクを着用してソーシャルディスタンスを保ちながらも、積極的にメンバーに声をかけ、マスクでも笑顔が伝わるよう、普段以上の満面の笑顔での接客を心がけている。

また、備品の清掃についても、入館時にメンバーに抗菌ハンドタオルを手渡し、各エリアに設置した除菌水で消毒・除菌することに協力していただくことにした。利用者同士も、お互いの感染予防に配慮することで、心地よくトレーニングができる雰囲気を醸成している。

また、2020年4月1日からの新サービスとして準備していた「フィットネスジャーニー」も、オンラインコミュニティ化も視野に入れながら推進していく計画である。これは、スモールグループのスクール制で、担当トレーナーがついて行動変容から運動習慣の定着をサポートするサービスで、入会初期のメンバーを中心に、決まった曜日時間でセッションを提供する。今後、オンラインでの情報共有や、オンライングループでのコミュニティ運営にも繋げて、フィットネスクラブの新たな活用方法も啓発していくことを計画している。