今やフィットネスクラブの付帯オプションとして多くの団体が見舞金付き優待サービスを導入しているが、このサービスは遡ること18年前、2004年に株式会社ルネサンス(以下、ルネサンス)と株式会社イーウェル(以下、イーウェル)の共同開発によって、業界に先駆けて誕生した。それが『ぐっピープラス』である。産声を上げたそのときから、総合型フィットネスクラブを中心に利用されているお見舞金付き優待サービスは進化を続けている。

  • 秋山 仁氏
    株式会社ルネサンス ビジネスリレーション部次長
  • 中嶋 哲也氏
    株式会社イーウェル HR ソリューション本部マーケティング部 部長

ぐっピープラスWELBOX の誕生秘話とニーズへの対応

’03年よりルネサンスとヘルスケア領域で新しい付加価値を提供できないかと、共同で協議を開始。クラブではフィジカル面を、クラブ以外では旅行などリフレッシュできる機会を提供することでメンタル面の健康増進がサポートできるのではという発想があり、一方で当時シニア会員の構成割合が増えているなか、安心できるクラブライフを過ごしてもらいたいという想いから見舞金というアイデアが出て、2つのサービスを融合した商品が翌’04年に、お見舞金付き優待サービス「ぐっピープラス」として誕生した。

「今でこそレンタルタオルや水素水、サプリメントサーバーなどクラブに付帯収入をもたらすサービスは多いですが、当時としては珍しい取り組みでした」とルネサンスでビジネスリレーション部次長を務める秋山氏は話す。「当初は、シニアの方がケガや盗難のリスクに対する不安を解消するサービスとして設計していました」と話すのはイーウェルの中嶋氏。

しかし一方で、「現在ルネサンスで最も加入割合が多いのは子どものスクール会員で、保護者より高い支持を集めています」と秋山氏。サービスをリリースして初めてわかったニーズを掴んでいる。

さらに、会員さまからはクラブ施設外のケガについてもカバーして欲しいという声が増え、ルネサンスよりイーウェルへ新プランの追加を相談。それが実現し、’16年より施設外にも対応、翌’17年より他クラブでも展開した。この強力な両社のタッグによって、常に会員さまから支持されるサービスを提供し続けている。構想から20年たった今、共同開発したサービスが業界に浸透し、マーケットを広め、オプションサービスの一役を果たすことができたと両氏。

デジタル化を推進しより利便性の高いサービスに

ぐっピープラスは時流に応じて常に進化している。まずは実際にケガをしてしまった会員さまが、お見舞金の請求をするシーンである。従来まではお客さまによる来店およびクラブ印が必須となっていたが、現在はクラブを介さずに直接イーウェルへ請求書を投函できるようになった。会員さまの利便性もさることながら、クラブスタッフの業務量の軽減に貢献している。このご時世においては、非接触でサービスを利用できるという点も強みであろう。続いて、これまでぐっピープラスに入会すると利用ガイドを渡していたが、昨年よりルネサンスでは紙による案内物の廃止に伴い、イーウェルは利用ガイドの電子化にすぐさま対応した。

また、会員さまへのご案内の効率化にも抜かりはなく、クラブでスタッフから直接説明する以外に、メールマガジンやルネサンス専用アプリ「Myルネサンス」で通知し、サービスを理解してもらうことに力を入れている。

もうひとつは物販の割引サービスの進化。優待サービス以外にルネサンスで販売するサプリメントやスクールの指定用品についても、ぐっピープラス加入者は割引の特典を享受できる。「現在はクラブでの販売からECへの販売にシフトが進みつつあります。そのなかで、ECサイトで利用できるクーポンの発行が必須となりましたが、それにもイーウェルさんには対応してもらいました」と秋山氏はご満悦だった。

総合型クラブ以外にも活用のポテンシャルは大きい

現在ルネサンスでは、「まずは自分たちが使ってみる」ことを重要視し、スタッフがぐっピープラスを利用している。この体制を整えるにも、イーウェルの迅速な対応なくしては叶わなかった。スタッフは、自分が本当によいと思うサービスを、自信をもって会員さまへご案内できるようになった。

「総合型フィットネスクラブ以外にも、スイミングスクール特化やサーキットトレーニングジムなど、まだまだ導入できる業態は多いと思います」と秋山氏は話す。会費収入以外の付帯収入を見込めるうえに、運動時のケガや施設利用時の盗難を理由に退会してしまう会員さまに救いの手を差し伸べることができるからだろう。「我々はイーウェルのパートナーとして、このサービスの普及に貢献できるよう活動していきます」と秋山氏は意気込む。「今後も時代の変化を的確に捉えながら、お客さまや現場での声を最優先に、サービスをブラッシュアップしていければと思っています」と中嶋氏は力強く締め括った。