株式会社ルネサンスは、リハビリ特化型デイサービス「元氣ジム」のほか、脳卒中特化型デイサービス「リハビリセンター」、訪問看護「リハビリステーション」など、様々な介護事業に携わっている。それだけでなく、地域の介護予防事業やスポーツクラブでのシニア向けプログラムなど、高齢者との接点を多くもち、健康に寄与している。

【お話しを訊いた方】 株式会社ルネサンス 執行役員 アクティブエイジング部 部長 鈴木有加里氏 

様々な状況のシニア層へ健康づくりを提供

同社のスポーツクラブは、業界のなかでもいち早くシニア層が通いやすい料金制度の導入、プールの階段設置、ヨガや太極拳、青竹ビクスといった参加しやすいプログラムの導入などの取り組みを行ってきた。今では50歳以上の会員が約53%を占めるまでになっている。

一方、フィットネス参加率3%というなかで、スポーツクラブに入会していない高齢者にどのようにアプローチしていくかを課題としていた。そこで、2005年から介護予防事業に取り組み始め、’06年からは行政と連携し、介護予防教室をはじめた。介護予防教室は、スポーツクラブの休館日を利用して、地域の高齢者にスタジオやプールで3ヶ月間介護予防運動を提供するもの。現在は123自治体で取り組んでいる。

介護予防事業が定着する一方、年齢を重ねて介護が必要になる人も増えてきた。そこで、’12年からはスポーツクラブや介護予防教室では対応が難しい人に向けて、元氣ジムの事業を始めた。

さらに、元氣ジムを運営していると、3割程度は脳血管性の疾患の既往歴があることがわかった。そこで、片麻痺の障がいがある人が早く改善するようにと、’18年に脳卒中特化型デイサービス「リハビリセンター」をつくった。また、進行性疾患によって症状が進行し、施設に通うことが難しい人に向けた訪問看護のサービス「リハビリステーション」も’14年から始めている。

「スポーツクラブには比較的お元気な方が通われています。地域のご高齢者向けに介護予防事業を始め、さらに疾患やリスクの高い方向けに元氣ジムを始めました。元氣ジムのお客さまは、元気になったら介護予防教室、そこで自信がついたらスポーツクラブと、次のステップがわかりやすく、目標をもって取り組むことができます。様々な立場の方へ、地域のなかでルネサンスができることを点ではなく面で展開しています」

 

スポーツクラブの育成ノウハウを活用、効果を実感できるプログラム

元氣ジムは、50坪前後の施設で、トレーニングマシンやレッドコード、施術用ベッドなどがある。現在、FC含めて23施設あり、各施設130〜190名が在籍し、90 〜180分、各25名前後が利用している。男女比はおよそ5:5で、介護度では要支援1,2、要介護1,2の人が多いが、なかには要介護3,4,5の人もいる。いずれの施設も開設から半年ほどで100名を超える状態になっている。

元氣ジムでは利用者に対して理学療法士がアセスメント(評価)を行い、一人ひとりに合わせたマンツーマンのリハビリプログラムのほか、ウォーミングアップ、ストレッチ、体幹トレーニングなどをグループで行う。リハビリ特化型のデイサービスは増えているが、特徴的なのは指導者とプログラムだ。

「スポーツクラブの指導者育成のノウハウがあるので、お客さまがグループの運動を楽しめるように運動指導することができます。楽しむことで、継続につながり、効果が高まります。また、シナプソロジーをはじめ、エビデンスのあるプログラムを提供し、低体力の方も無理なく安全に効果を出すことができます」

元氣ジムのスタッフは、運動指導員2人、理学療法士1人、看護師1人のほか生活指導員などが常駐している。運動指導員は運動指導経験のない主婦や新卒社員もいるが、同社の育成ノウハウを用いることで、お客さまに正しく楽しい指導ができる。同時に、リハビリのプロである理学療法士を社員として採用し、初回利用時にマンツーマンでアセスメントしている。

「お客さま自身に、そのときの身体の状況や、それを改善するためにどのような運動をするかを丁寧に説明しています。ご自身だけでなく、ケアマネージャーさんやご家族も理解して納得していただけます。体験時に、運動の前後で姿勢や可動域、歩行の違いを映像で見ていただくことで、身体が変わることを実感してもらうことができます」

リハビリセンターは、’18年に神奈川県鎌倉市に1号店を開設した。片麻痺の改善には、100回以上の動作の反復が必要という考えから、促通反復法によるプログラムを提供する施設が必要だと考えた。川平促通反復エクササイズという運動法を採り入れているほか、電気刺激やロボットを活用して、麻痺改善や歩行再建のプログラムを行う。約30坪で定員は15名。介護認定を受けた人が通うことができる。オープン半年で満員となり、現在100名以上が在籍している。病院でのリハビリ終了後にリハビリできる施設が少ないことから、今後の出店へのニーズも高い。同施設は40 〜50代も多く、週2〜3回のペースで来ている人や元氣ジムと両方利用している人もいる。

また、’14年から展開している「リハビリステーション」は、送迎車の乗り降りが難しいがリハビリしたいという人のためにつくった。疾患の状態により、看護師、理学療法士、作業療法士のいずれかが訪問して、自宅での看護や機能訓練を行ったりする。現在3事業所を展開しており、これから人材を採用できれば増やしたい考えだ。