フィットネスクラブの見学・体験を専門に指導する第一人者、林佳範氏。これまで3万人以上に指導するなかでもよく取り上げてきた「ヒアリング」について、問題点や改善方法を改めて紹介。見学者や体験者にどのように効果的なヒアリングを行い入会していただくか、その方法について述べる。

本日の内容は、本連載や研修でもよく取り上げる「ヒアリング」です。今、数少ない見学者や体験者にいかに入会してもらうようにするかは重要事項です。特に新しいスタッフが増えるこの時期に、まず実践できることをやる。そしてよく勉強されている方は【2021年度版】でポイントを改めて見直していきましょう。

ヒアリングできない5つの理由

あなたの現場がお客さまの本音を聞き出せない理由は、お客さまは自分の本音を知らないからです。お客さまの本音をヒアリングできない理由の5つを改善しましょう。

①お客さまの本音を理解していない
②NGワードに気付いていない
③アンケートの作成方法を間違えている
④信頼関係で差をつけていない
⑤本音を話すスタートの言葉を決めていない

①お客さまの本音を理解していない

まず1つ目がお客さまの本音を勘違いしていることです。お客さまは自分の本音を知らないのです。これはお客さまだけではなく、あなたも自分の本音を考えている以上に知りません。「本当に?」と疑問をもつ人は、次の質問に答えてみると、意外と知らないことに気付きます。例えば、「あなたの理想のタイプは、どんな人ですか?」1分間で思いつく限り紙に記入し、その後次の質問に答えてみましょう。

・髪型は、ロング、ショート、パーマ、ストレート、どれが好きですか?
・体型は、細身、筋肉質、ぽっちゃり、どれがタイプですか?
・性格は、優しい方がいいですか?

具体的などんな場面でどう優しいのがいいですか?

・趣味は、アウトドア派とインドア派、どちらがいいですか?
・今答えたなかで、一番優先順位が高く重要視するものは何ですか?

質問に答えていくと、記入が増えていきます。増えた答えが「気付いていない欲求」です。質問に答えることで、理想のタイプがより具体的になっていきます。この質問の答えを初めからすべて書き出した方はまずいないでしょう。つまり、あなた自身も本音に気付いていなかったのです。

そして今の質問とは比べものにならな