小型のパーソナルスタジオや、マイクロジムが増えている。なかでも、経営が順調な施設の成功要因は何だろうか。本連載で、マーケティングや経営・運営の手法に迫る。

第49回目は東京都渋谷区にあるSharez。トレーナーの「個性」を魅力に周辺の生活者ならびに遠方に住むお客さまから支持を得て成長している。

●コンセプト
「人生の可能性を広げる」個性派トレーナー集団

人それぞれ、身体もライフスタイルも個性がある。それはお客さまにもトレーナーにも当てはまる。Sharezのトレーナー陣が個性派揃いなのはそのためだ。Sharezは多くのパーソナルジムとは異なり、基礎研修の後は、トレーナー個々人の裁量に完全に任せてプログラムを提供している。一方で、定期的なスキルチェックや個別ミーティングで品質の担保を計っている。

岡崎氏は自身のキャリアのなかで多くのトレーナーと交友関係を築いてきた。そのなかで、2014年ごろ、パーソナルトレーニングにひとつの課題意識が芽生えたという。

「当時は、RIZAPなどは登場していたものの、個人のパーソナルトレーニングジムもまだ多くなく、パーソナルトレーニングといえば大手フィットネスジムのなかで行われるのが主流でした。しかしそれでは、そのフィットネスジムに通われているお客さましか担当できませんし、金額設定も自分ではできません。一方で、当時はコンテストなどで知名度のあるトレーナーや、SNSで多くの人にリーチしているトレーナーが登場してきていました。そういったトレーナーのトレーニング指導を受けたくてもジムに入会する、ビジター利用する、というハードルがありました。そこで、実力のあるトレーナーが自由に自分のお客さまを招き、トレーニングできる場所があるといいと思ったのです」

そうして、すでにフィットネスジムで活躍しているトレーナーの何名かに声をかけ、最初は3人から事業をスタートした。

「もっとトレーナーが働きやすく、お客さまにより良いサービスを提供できる環境を作りたい」と語る岡崎氏によって、運営されているSharezは実に合理的な運営がなされている。

まず、ホームページ上にトレーナーの個性や得意分野を全面に載せることで、お客さまが自分にマッチしたトレーナーを選択できるようにしている。トレーナーのセッションあたりの単価は実績によって変動する仕組みだ。料金が「フェアな指標」の役割を果