フィットネス業界の上場企業の決算が発表となったが、withコロナ、ポストコロナの生活者・勤労者の価値観や行動様式の変化を捉え、態度変容、行動変容へと導くための既存業態の変革や新業態・新サービスの開発~展開など、スピードを上げた攻めの展開がなかなかできていない。

結果、売上高は前年より上昇しているものの、会員数、とりわけフィットネス会員の在籍数の積み上げが厳しい状況となっていることが浮き彫りになった。

これまでは既存各社の売上高の構成比は、フィットネス会員の会費収入が多くを占めていたが、スイミングスクールや指定管理施設などの構成比が高まってきている。フィットネス会員を増やすうえで奇手はないため、これまでとは異なる対象顧客のニーズや従来の対象顧客の異なるニーズに対応したサービスを開発、提案して、興味を喚起し、入会後も継続して満足を作り出せる仕組みづくりをすることが大事になってきている。

ヒントは、RIZAPやカーブスのような小規模業やスクール事業の取り組みにあるのではないか。コロナの収束を待つのではなく主体的な取り組みを行い、‘23年3月期には業績回復を目指してほしい。

東祥、コロナ禍の影響は限定的、売上高回復、全社

スポーツクラブの売上高は、前年比6.6%増122億円

株式会社東祥の’22年3月期決算における売上高は、273.19億円(前年比55%増)、営業利益44.85億円(同315.3%増)、経常利益45.46億円(295.4%増)、純利益24.24億円(―)となった。

総売上高のおよそ半分を占めるスポーツクラブ事業における’22年3月末の店舗数は、101店舗である。一部エリアで発出された休業要請に基づき9店舗が一時的に臨時休館となったが、前連結会計年度と比べ、影響は限定的であり(前連結会計年度は、全97店舗が一時的に休館)、’22年3月期のスポーツクラブの売上高は、121.92億円(同6.6%増)となった。

’23年3月期(予想)は、スポーツクラブ事業における’22年3月末の会員数及び直近の入退会の状況、ホテル事業における直近の宿泊稼働率及び客室単価、不動産事業における賃貸マンションの入居率を参考数値とし、また感染症ワクチンの接種状況、治療薬の開発並びに経済動向予測を仮定し業績予想を算出した結果、売上高206億円(前年同期比▲24.6%)、営業利益20億円(同▲55.4%)、経