会社の望む働き方ではなく、自ら働き方をコントロールできる技術や能力をもった人物の育成に力を入れる遠藤一佳氏による連載。

トレーナーが自身のジムをもつために考えるべきポイントについて、1年を通して解説する。やはり新たなジムをオープンすべく準備中であった同氏。コロナ禍でも、前を向いて進んでいる。

前号のおさらい

こんにちは。遠藤です。2020年の連載テーマは「トレーナーが自分のジムをもつための5ステップ」です。

本連載では「自分のジムをもちたい」と考えている人を対象にメッセージを送ります。と、その前に。新型コロナ禍によって当業界は甚大な被害を受けています。それは4月にスモールジムのオープンを予定していた私たちも同じです。そのことについては本連載の最後に記載したいと思います。

まずはテーマに沿ったことをお伝えしていきます。前回は「誰の何を解決したいのかを第一に考えないといけない」と記しました。「誰」というのは「自分が貢献したい人」のことです。続いて「誰の何を解決したいのか」を明確にする必要があります。私はフィットネス業界の「困っている人」にビジネスコンテンツを届けることで、その方々を助けたいと思っています。そして「それを自分が解決できる」のであれば、それこそが「商品」です。トレーナー諸氏は「誰の何を解決したいか」がはっきりしているはずです。この信念があるトレーナーは自分のジムをもつことをお勧めします。

「解決法」に信念がない

今回は「誰の何を解決したいのか」に続いて考えるべきことである「お客さまの問題をどのように解決するか」について論じます。おそらくですが、多くのクラブでは「トレーナーがよい指導をすることで」くらいにしか考えが及んでいないと思います。「解決法」を考えるにあたっては以下のような観点があります。

(1)誰が教えているのか

トレーナーと一括りにしたところで、そこにはピンからキリまでがあります。例えば、社員トレーナーなのかアルバイトスタッフトレーナーなのか。有資格者なのか、無資格者なのか。有資格者であれば、それはどのような能力、知識を有しているのか。こういったことを考えている経営者は本当に一握りしかいないと思います。「資格=専門力」くらいの認識でしょう。こうなる理由は「お客さまに何を伝えたいか」という信念がないからです。

(2)何を教えているのか

当社媒体で繰り返しいっていますが、私は